ブレード・ネットワーク・テクノロジーズ(BNT)は6月30日、サーバラックに設置するためのイーサネットスイッチ2製品を国内発表した。BNTは、ブレードサーバ組み込み用のイーサネットスイッチをOEM供給することで伸びてきた企業。同社は新製品により、ブレードサーバ単位からラック単位のネットワーキングへと事業領域を拡大、同時に自社ブランドによるビジネスを推進する。
BNTは2006年設立の新興企業だが、IBM、ヒューレット・パッカード、NECのブレードサーバ用にネットワークスイッチ・モジュールを供給することで急速に成長してきた。例えば2008年第1四半期にNECから出荷された「SIGMABLADE」の53%が同社のスイッチ・モジュールを搭載しているという。
この実績を基に、同社は今回、複数のブレードサーバあるいはラックサーバをまとめるサーバラック用のボックス型スイッチ「RackSwitch G8000」と「RackSwitch G8100」を発表した。G8000はギガビット・イーサネットを48ポート、10ギガビット・イーサネットを最大4ポート構成でき、G8100は10ギガビット・イーサネットを24ポート備えている。パケットロスがなく低遅延なのが特徴で、ハイパフォーマンス・コンピューティング(HPC)におけるサーバ間接続にも使われ始めているという。次世代イーサネットとして期待されるConverged Enhanced Ethernet(CEE)やData Center Ethernet(DCE)さらにはFibre Channel over Ethernet(FCoE)にもファームウェアのアップグレードで対応できる。これにより、将来はサーバとストレージの双方をまとめるデータセンタースイッチとしての訴求を図っていく。
新製品では、サーバ仮想化への対応に力を入れ、VLANをポート単位ではなく仮想マシン単位で設定できるようにしている。このため、ある仮想マシンが物理サーバ間を移動したとしても、元のVLANメンバーシップは保たれ、これに関連付けられたQoSやセキュリティの設定も維持される。
もう1つのユニークな点はエアフロー制御における工夫だ。BNTの2製品では「前面吸気・背面排気」と「背面吸気・前面排気」のいずれかを選ぶことができる。サーバに合わせることで、「コールド・アイル」「ホット・アイル」(データセンター内で吸気のための通路と排気を集中させる通路を区別することで、データセンターの空調効率を高める手法)を作りやすくなる。
G8000は7月中旬発売で、価格は126万4000円(税抜)から、G8100は8月中旬発売で、274万9000円(同上)から。BNT社長兼CEO ビクラム・メータ(Vikram Mehta)氏は、日本のニーズに対応するため、国内でも研究開発活動を行うとしている。そのなかにはアプリケーション指向の新たなネットワークサービス管理規格であるNETCONFへの対応も含まれるという。
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