シマンテックは11月11日、新たなアプリケーション・ストリーミング製品「Altris Software Virtualization Solution Professional」(以下、SVS Professional)を同日に国内出荷開始したと発表した。シマンテック ソリューション&プロダクトマーケティング部 裴蒞相(ペイ キサング)氏は新製品について、「久しぶりに世の中を変えられる製品。ソフトウェアの管理作業を“消滅”できることと、明日からでもSaaSを始められることが2つの大きな特徴」と説明した。
同社はすでに「Altris Software Virtualization Solution」(以下、SVS)というアプリケーション仮想化製品を国内でも販売している。これはマイクロソフトの提供する「App-V」や、シトリックスシステムズの「XenApp」の上位バージョンに備わっているアプリケーション仮想化機能と競合する製品だ。
今回のSVS Professionalは、このSVSと、シマンテックが米アップストリームの買収で獲得したアプリケーション・ストリーミング・ソフトウェア「AppStream」(「Symantec Workspace Streaming」に名称変更)をバンドルしたもの。主役はSymantec Workspace Streamingのほうだ。
Symantec Workspace Streamingはアプリケーション・ストリーミングを実現するツールで、まず軽量な専用クライアントソフトを端末に導入すると、その上で各種のアプリケーションを擬似的にインストールして利用できるようになる。一般的なアプリケーション仮想化製品との違いは、Symantec Workspace Streamingの場合、ソフトウェアをすべて4Kbytesのデータブロックに分割して配信するため、不安定なインターネット経由でも、安定したパフォーマンスを確保できること、そしてソフトウェアは一度にすべてを端末側に送信してしまうのではなく、使う分だけ随時送信されることにある。特に、一度にアプリケーションのすべてを送信してしまわずに、使う分だけ送信する方式は、ユーザーが初回起動時に長時間待つ必要がないこと、ネットワークへの急激な負荷上昇を回避できることなどのメリットがある。
Symantec Workspace StreamingはSVSなしに単独でアプリケーション・ストリーミングが可能。今回これをSVSと組み合わせてSVS Professionalとして販売するのは、Symantec Workspace Streamingがアプリケーション仮想化においてSVSの次の段階に位置するものだからだと裴氏は話した。Symantec Workspace StreamingはSVSのパッケージを配信することもできる。SVSを併用すると、同じアプリケーションの複数バージョンを同一PC上で利用できるメリットがあるという。
Symantec Workspace Streamingは、ほかにも各ソフトウェアの利用期限を設定できるなど、SaaS事業者に便利な機能を備えている。裴氏はシマンテックが他社をリードしている部分を活用して、一気に同ソリューションの普及を進めていきたいと語った。SVS ProfessionalはSaaS事業者のほか、教育機関からも強い引き合いがあるという。
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