米ブロケードコミュニケーションズシステムズは1月末にデータセンター・バックボーンスイッチの新製品「Brocade DCX-4S」を発表、日本でも提供が開始された。
DCX-4Sは同社が従来から提供しているデータセンター・バックボーンスイッチ「Brocade DCX」の半分の能力を持つ製品。1シャーシで8Gbpsファイバチャネルポートを最大192ポート提供可能。これは最大384ポートを提供できるDCXのちょうど半分だ。中規模拠点におけるコア、あるいは大規模環境におけるDCXのエッジとしての利用が想定されている。「大規模な顧客だけでなく、中規模な顧客もリソースを集約していくために今後マルチプロトコル対応が重要になってくる」(小今井氏)。日本では特に、リスク管理の観点からDCXほどの規模での統合を嫌う顧客が多いことから、DCX-4Sは受け入れられやすいという。
DCX-4Sは多くの点でDCXと共通化が図られている。電源や空冷ファン、コントロールプロセッサ(CP)ブレード、ポートブレードなどは同一で、コア(CR)ブレードとWorld Wide Nameカードのみが異なる。DCXと同一の付加サービスブレードも利用できる。
この付加サービスブレードはDCXシリーズの特色の1つ。現在暗号化ブレード、ルーティングブレード、そしてEMCのストレージ仮想化ソフトウェア「EMC Invista」や継続データ保護(CDP)ソフトウェア「EMC RecoverPoint」などを搭載できるアプリケーションブレードが提供されている。
大規模なデータセンターでは、DCXにエッジとして接続するDCX-4Sに、これらのサービス処理を適用する役割を担わせることが可能という。
DCX-4SはDCXと同じ「Fabric OS」を搭載する。同OSは新バージョン6.2が提供開始されている。6.2の新機能には「Virtual Fabrics」がある。これは物理スイッチを複数ファブリック(パーティション)に仮想的に分割する機能で、管理面での分割やファブリックサービスの分割ができる。例えばDCXやDCX-4Sを旧マクデータのダイレクタと接続する際には、互換性モードに設定しなければならない。しかし互換性モードではDCXシリーズの特徴的な機能を活用することができなくなってしまう。こうした場合にDCXあるいはDCX-4Sのある1つの仮想パーティションを互換性モードで動かし、その他はネイティブモードで動かすといった利用法が考えられるという。
また、サーバを別のスイッチからDCXシリーズに移行する場合、アドレスの変更を嫌うサーバ群について1つのパーティションを割り当て、従来のアドレス設定を維持することも可能だ。
ブロケードはDCXシリーズに搭載するFibre Channel over Ethernet(FCoE)モジュールを今年後半から来年初めにかけて提供開始の予定。FCoEについては今年春ごろに、まずボックス型のスイッチを投入するという。
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