それでは実装していきましょう。長くなるのでいくつかに分割しながら解説します。
先ほどのコードの29行目、「末尾2」のコメントの下の行に以下のコードを追加してください。
<script type="text/javascript"> Array.prototype.clone = function(){ return this.slice(0); } function HuffmanTree(data, is_compressed_data) { if (is_compressed_data) { this.setCompressedData(data); } else { this.data = data; var char_counter = this.getCharCounter(); this.setHeaderData(char_counter); this.setTreeData(); } } HuffmanTree.prototype.getCharCounter = function() { var char_counter = new Array(); for (var i = 0; i < this.data.length; i++) { var ch_num = this.data.charCodeAt(i); if (char_counter[ch_num] == undefined) { char_counter[ch_num] = 0; } char_counter[ch_num]++; } return char_counter; } <!-- 末尾3 -->
コードを解説していきます。
2〜4行目
汎用メソッドです。配列のコピーを行うメソッドです。
6〜15行目
ハフマン符号の木構造を表すクラスです。圧縮機能も持ちます。コンストラクタに渡されたデータが圧縮していないものであれば圧縮し、圧縮したものであれば復元します。
8行目
圧縮されたデータを受け取った場合は復元します。
11行目
文字ごとの出現回数をカウントした表を作ります。データ構造は文字コードをキーとする配列になっています。
12行目
出現回数の表を、文字コード(ch_num)と出現回数(count)の組み合わせのデータに変換し、ヘッダデータとして保持します。
13行目
木構造を作成します。
17〜28行目
文字ごとの出現回数をカウントするメソッドです。
引き続き実装していきます。次のコードは上のコードの続きです。29行目「末尾3」の下に続きます。
HuffmanTree.prototype.setHeaderData = function(char_counter) { this.header_data = new Array(); for (var ch_num = 0; ch_num < char_counter.length; ch_num++) { if (char_counter[ch_num] === undefined) { continue; } var ch_count_data = { count:char_counter[ch_num], ch_num:ch_num }; this.header_data.push(ch_count_data); } } Array.prototype.insert_count = function(value) { for (var i = this.length-1; 0 <= i; i--) { if (value.count < this[i].count) { break; } this[i+1] = this[i]; } this[i+1] = value; } HuffmanTree.prototype.setTreeData = function() { var sort_data = this.header_data.clone(); sort_data.sort(function(a,b) { return b.count - a.count; }); while(true) { var min1 = sort_data.pop(); var min2 = sort_data.pop(); if(min2 === undefined) { this.tree_data = min1; break; } var count = min1.count + min2.count; var node = { count: count, left: min1, right: min2 }; sort_data.insert_count(node); } } <!-- 末尾4 -->
1〜9行目
getCharCounter()で、作られたデータは文字コードをキーとする配列になっています。
char_counter[文字コード] =出現回数
これを文字コードと出現回数を持つオブジェクトに変換します。後で木構造を作るときに使うためです。
11〜17行目
出現回数の配列にオブジェクトを追加するメソッドです。出現回数が多い順にソートされている状態のときに、多い順が保たれるように追加します。
19〜35行目
木構造を作成します。
20、21行目
ヘッダデータをコピーしてソートします。多い順にソートします。
23行目
ループを開始します。
24、25行目
配列からデータを取り出します。popは末尾からデータを取得して配列から削除するので、min1には一番出現回数が少ないもの、min2にはその次に出現回数が少ないものが入ります。
26〜29行目
ループの終わりですが、後で解説します。
31、32行目
出現回数を足して、木構造のノードを作成します。ノードは左側(left)が出現回数が少なく、右側(right)が出現回数が多いものになります。
33行目
sort_dataにノードを追加します。
setTreeDataのループでは、配列からデータを取得してノードを作成し、それを元の配列に入れていきます。そのため、ループ2週目以降は配列の中に文字のデータと木構造の両方が入り、徐々に木構造に追加されていく形になっています。
最終的には、木構造が1つだけ入った形になります。こうなったら木構造をインスタンス変数として保持し、ループを終了します。
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