TERASOLUNAのセキュリティ機能でWebアプリを強化オープンソースTERASOLUNAで作るWebアプリ(5)(3/3 ページ)

» 2009年03月10日 00時00分 公開
[佐々木高洋株式会社NTTデータ]
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ユーザー一覧画面へのアクセスを制限する

 アクセス権限チェックのクラス実装例を以下に示します。

リスト12 SampleAuthorizationController.java
package sample2;

import javax.servlet.ServletRequest;
import javax.servlet.http.HttpServletRequest;
import javax.servlet.http.HttpSession;

import jp.terasoluna.fw.web.RequestUtil;
import jp.terasoluna.fw.web.UserValueObject;
import jp.terasoluna.fw.web.thin.AuthorizationController;

public class SampleAuthorizationController
implements AuthorizationController {

    public boolean isCheckRequired(ServletRequest req) {
        // リクエストパスが/listで始まるならチェックする
        return RequestUtil.getPathInfo(req).startsWith("/list");
    }

    public boolean isAuthorized(String pathInfo, ServletRequest req)
    {
        // セッションを取得
        HttpSession session =((HttpServletRequest)req).getSession();

        // セッションからUVOを取得
        SampleUVO uvo = (SampleUVO) session.
            getAttribute(UserValueObject.USER_VALUE_OBJECT_KEY);
        if (uvo == null) {
            // セッションにUVOがなければ不許可
            return false;
        }
        // IDが10未満であれば許可
        return Integer.valueOf(uvo.getUserId()) < 10;
    }
}

 applicationContext.xmlに、アクセス権限チェックの実装クラスを定義します。

リスト13 applicationContext.xml
  <!-- アクセス権限チェック設定 -->
  <bean id="authorizationController"
    class="sample2.SampleAuthorizationController" />

 web.xmlには、アクセス権限チェックのフィルタ設定と、アクセスが拒否されて例外UnauthorizedExceptionがスローされた場合の遷移先定義を追記します。

リスト14 web.xml
  <!-- アクセス権限チェック -->
  <filter>
    <filter-name>authorizationControlFilter</filter-name>
    <filter-class>
      jp.terasoluna.fw.web.thin.AuthorizationControlFilter
    </filter-class>
  </filter>
  <filter-mapping>
    <filter-name>authorizationControlFilter</filter-name>
    <url-pattern>/*</url-pattern>
  </filter-mapping>

…(中略)…

  <error-page>
    <exception-type>
      jp.terasoluna.fw.web.thin.UnauthorizedException
    </exception-type>
    <location>/authorizationError.jsp</location>
  </error-page>

 遷移先エラーページを作成します。

リスト15 authorizationError.jsp
<%@ page contentType="text/html; charset=Windows-31J"%>
<%@ taglib uri="/struts-html" prefix="html"%>
<%@ taglib uri="/terasoluna-struts" prefix="ts"%>
<!DOCTYPE HTML PUBLIC "-//W3C//DTD HTML 4.01 Transitional//EN">
<html:html>
<head>
  <meta http-equiv="Content-Type" content="text/html; charset=shift_jis">
  <title>アクセス権限エラー</title>
</head>
<body>
  このページの閲覧権限がありません
</body>
</html:html>

 確認してみましょう。ユーザーIDが10以上のユーザーがユーザー一覧画面へアクセスしようとすると、エラーページへ遷移するようになります。

図6 アクセス権限エラーページ 図6 アクセス権限エラーページ

ボタンを非表示にする

 ログオン成功画面にある「ユーザ一覧」ボタンを、ユーザー一覧画面へのアクセス権を持たないユーザーには見せないようにします。

 ログオン成功画面(certified.jsp)の「ユーザー一覧ボタン」を、以下のように<t:ifAuthorized>タグで囲います。

  <t:ifAuthorized path="/listBL">
    <ts:submit>ユーザー一覧</ts:submit>
  </t:ifAuthorized>

 このタグで囲まれた部分は、pathで指定された「/listBL」パスへのアクセス権限を持つユーザーにのみ表示されるようになります。

アクセス権限チェックの確認

 ユーザーIDが10以上のユーザーは、ログオン成功画面に「ユーザー一覧」ボタンが表示されなくなります。

図7 ログオン成功画面(「ユーザー一覧」ボタンなし) 図7 ログオン成功画面(「ユーザー一覧」ボタンなし)

さまざまなプロジェクトを経た実用性の高いフレームワーク

 連載5回にわたってTERASOLUNAフレームワークを利用したWebアプリケーションを作成してきましたが、いかがでしたでしょうか。

 TERASOLUNAフレームワークは、NTTデータ内の大小さまざまなプロジェクトで使用され、そこからフィードバックを受けて改善され続けてきました。採用されている機能の多くは、実際の商用プロジェクトで開発され、使用されたものを取り込んだ実用性の高い機能です。

 日本語ドキュメントやサンプルも豊富にありSourceForge.JP上で公開されているため、ぜひ使ってみてはいかがでしょうか。

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