インテルは4月6日、サーバ用の新CPU「インテルXeonプロセッサー5500番台」を国内発表した。同社が東京都内で開催した発表イベントで、米インテル上席副社長兼デジタル・エンタープライズ事業本部長のパット・ゲルシンガー(Pat Gelsinger)氏は、新CPUを「不況を蹴散らす(recession buster)製品」だと表現した。
これは1995年のPentium Pro発表以来、最も重要な発表だという。「Pentium Proで標準量産型サーバが確立した。だが当時サーバはファイル/プリント共有にしか使われておらず、出荷台数は100万台にとどまっていた」。その後インターネットが発展し、クラウドが進展。150億台のコンピュータがつながる世界が見えてきたことで、今日とは大きく異なる、動的かつ効率的で拡張性に富むアーキテクチャが求められるようになってきたとゲルシンガー氏は話した。
Xeon 5500番台は「これまでにつくられた最高のエンジン。さらに最高なのはこのエンジンを外の世界とつなぐ部分」。ゲルシンガー氏は新たなメモリ・サブシステム、プロセッサ間およびプロセッサ―チップセット間をポイント・ツー・ポイントで接続するインテルQuickPathアーキテクチャに加え、システムレベルでの省電力機能を実現する同時発表の「インテル5520チップセット」、さらにiSCSIやFCoE、サーバ仮想化を高速化するネットワークチップ「インテル82599 10GbEコントローラー」を紹介した。
Xeon 5500番台は、性能が前世代に比べて最も大きく向上したXeonプロセッサだという。相対パフォーマンスはXeon 5400番台の約2倍、プラットフォームとしてのアイドル時の消費電力は約半分だとインテルは発表している。
この結果、2005年に発売されたシングルコアXeon搭載サーバ184台を同じ台数の5500番台搭載サーバに置き換えると、パフォーマンスは最大9倍、年間電力コストは18%削減できるという。パフォーマンスを同等に維持するために21台の5500番台搭載サーバに置き換えた場合は年間電力コストを約92%削減でき、投資は8カ月で回収できるという。
今回の発表に合わせ、サーバではサードウェーブ、デル、NEC、日本IBM、日本SGI、日本コンピューティングシステム(JCS)、日本ヒューレット・パッカード、日立、ファナティック、富士通、プラットフォーム、米Rackable Systemsが製品を紹介した。
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