米シトリックスは5月7日(日本時間)、「Citrix C3 Lab」を提供開始したと発表した。これは企業がITソリューションのプロトタイピングや検証を、アマゾンのAmazon Web Services(AWS)上で安価にできるようにするサービス。シトリックスは今後、AWS上での企業アプリケーションの本格運用までを含めたサービスを展開していく予定という。
Citrix C3 Labでは、Amazon EC2およびAmazon S3を活用した事前に整備済みのアプリケーション稼働環境を提供することで、アプリケーションの互換性チェックやステージング、動作環境の確認などを迅速に行うことが可能。当初は「Citrix XenApp」(ターミナルサービス型シンクライアントとアプリケーション仮想化のソリューション)を対象とする。
具体的には、Amazon EC2で、XenAppをインストール済みのWindows Server仮想マシンを選択して起動すれば、即座に利用開始できる。XenAppの利用料金はAmazon EC2の利用料金に含まれて請求される。
シトリックスは、C3 Labにおける対象製品や利用シナリオを順次拡大していくという。
関連して、シトリックスはサービスプロバイダ向けの製品/サービスである「Citrix Cloud Center」(C3)の強化を発表した。
C3は2008年9月に同社が発表したプログラム。XenServer、NetScaler、WANScaler、Workflow Studioを統合したソリューションとして提供開始した。
今回はこれにXenAppおよびXenDesktopが加わり、シンクライアント環境提供サービス、あるいはシンクライアントのメカニズムを使ったSaaSを始めやすくなった。また、一般ユーザー企業にはアプライアンスとして提供しているNetScalerを仮想マシン化し、サービスプロバイダがニーズに応じて複数起動できるようにした。
シトリックスは同時に、従量課金のサービスプロバイダ向け料金体系「Citrix Service Provider Program」も発表した。サービスプロバイダは初期料金なしに、アクティブユーザー数に基づいてライセンス料を月単位で支払うことができるようになった。
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