GData APIでGoogleスプレッドシートを参照するにはSpreadsheets Data APIを使うための基礎知識(1)(1/3 ページ)

SaaS形式のさまざまなGoogle Appsを操作するGData APIの1つ、Googleスプレッドシートを操作するSpreadsheets Data APIのJavaライブラリの使い方を基本から紹介する入門連載(編集部)

» 2010年01月15日 00時00分 公開
[能登諭株式会社トップゲート]

REST形式のAPIでGoogleドキュメントを操作してみよう

クラウド上のデータを活用できる「GData API」とは

 GData APIとは、正式には「Google Data API」といい、REST形式(コラム参照)でGoogle Appsの以下のような各種リソースを操作できるAPIです。これらにアクセスして、データを検索したり更新できます。

 REST形式であるため、自作のプログラムでHTTPリクエストを組み立てれば自由に利用できますが、APIをプログラミング言語から操作できるように、各言語ごとのクライアントライブラリも用意されています。

 昨今「クラウド・コンピューティング」(クラウド)に対する関心が高まっていますが、GData APIは「雲の上のデータを活用するための便利なAPI」といえます。

Googleドキュメントの「スプレッドシート」を操作する「Spreadsheets Data API」とは

 「Spreadsheets Data API」は、GData APIの一種で、Googleドキュメントの「スプレッドシート」(Microsoft Excelのような表計算ソフトウェアをWeb(クラウド)上に作成して更新・削除管理できるWebサービス)を操作するためのAPIです。

 本連載では、Spreadsheets Data APIを利用してGoogleドキュメント上のスプレッドシートを操作する方法について紹介していきます。

 また、クライアントライブラリとしてはJava言語のものを利用します。JavaのSpreadsheets Data APIのドキュメントは「Developer's Guide: Java - Google Spreadsheets APIs and Tools - Google Code」にあります。

コラム 「いまさら聞けない「REST」とは」

REST(REpresentational State Transfer)とは、HTTPプロトコルのGET(検索/参照)、POST(追加)、PUT(更新)、DELETE(削除)メソッドを利用して、Web上のリソースを操作する設計方式です。特徴としては、すべてのリソースに一意となるためのURIを付与する点や、ステートレスな点が挙げられます。

なおGData APIは、フォーマットとしてAtom Publishing ProtocolAtomPub)をベースに独自の拡張を行っており、別のフォーマット(JSONRSSなど)でも出力できます。


Spreadsheets Data APIを使うための環境構築

検索/参照対象のスプレッドシートの用意

 まず、データの検索(参照)対象となるスプレッドシートを用意しましょう。Googleドキュメントを利用するには、Google AppsもしくはGoogleアカウントが必要です。アカウントの用意ができたら、こちらの「検索データ」のリンクをクリックしてください。筆者が自作した、今回の検索に利用するスプレッドシートが表示されます。

 なお、このスプレッドシートは参照専用となっているので、スプレッドシートの内容を編集したい場合は、[ファイル]メニューから[コピーを作成]をクリックして、自分のGoogleドキュメントにコピーを作るようにしてください。また、その際には名前を「検索データ」以外の、ほかのスプレッドシートと重複しない名前にし、後述のサンプルソースで指定しているスプレッドシートの名前も、その名前に変更してください。

GData APIのJavaクライアントライブラリを入手

 GData APIのJavaクライアントライブラリ「gdata-java-client」を「Downloads - gdata-java-client - Project Hosting on Google Code」より入手してください。バージョンごとにサンプル付きのパッケージとソース付きのパッケージが存在します。どちらのパッケージにもjarファイルは含まれているため、好きな方をダウンロードしてGData APIのパッケージを解凍してください。

 なお、本稿では「gdata-samples.java-1.40.2.zip」をダウンロードした前提で記述してあります。

図2 「gdata/java/」フォルダの構成 図2 「gdata/java/」フォルダの構成

 「gdata/java/」フォルダを開くと、「deps」「lib」フォルダがあります。「lib」フォルダ内にGData APIのjarファイルが入っていて、「deps」フォルダにはGData APIが依存するjarファイルが入っています。また、「deps」フォルダに含まれていませんが、GData APIが依存する外部のjarファイルもあります。Spreadsheets Data APIは、外部のjarが必要ありませんが、APIによっては外部のjarファイルが必要です。詳細は、「gdata」フォルダにある「INSTALL-samples.txt」を参照してください。

Javaの開発にはEclipseを使う

 本稿では、Javaの開発に良く使われる統合開発環境「Eclipse」を使います。なお、GData APIはJava 5以上であれば動くので、Java 5以上が扱えるものであれば、どのバージョンでも問題ありませんし、Eclipseを使わなくても開発・実行はできます。

 Eclipse環境の構築手順については、記事「Eclipse 3.4で超簡単Javaプログラミング基礎入門」を参照してください。

 なお、この記事では以下のバージョンで動作を確認しています。

  • jdk1.6.0_17
  • eclipse-java-galileo-SR1-win32
  • gdata-java-client-1.40.2

 次ページからは、Googleスプレッドシートを参照するサンプルプログラムを作り始めます。

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