連載
» 2011年07月19日 00時00分 公開

EAIデータ連携でクラウドを使いこなすクラウドと業務の視点(2/3 ページ)

[竹澤聡志,株式会社テラスカイ]

2. EAIツールで情報の分断を防ぐ

 上記のレベル2、3に相当するものとして最も多いのが、システム間のマスタ連携であろう。

 企業のITインフラは通常いくつかのシステムから構成されていることが多く、また多くの企業では同一のマスタを複数のシステムに持っていることが多い。例えば、顧客マスタを、営業系システムと会計系のシステムに持っている、というケースなどが考えられる。

 社内のシステム同士であれば、簡単なプログラムを使ってデータベースからCSVをエクスポートし、システム間はFTPやHULFTなどのミドルウェアを使って転送、相手先でインポートするという実現方法をとる場合が多い(もしくはミドルウェアを使わず、毎日手作業で行っているかもしれない)。

 クラウドサービスを利用する場合でも他システムとの連携は避けられない課題だ。ではクラウドサービスと社内システムの連携はどう実現するのだろうか。

 セールスフォースでは、CSVファイルをアップロードしてデータベースを更新するBulk APIが提供されている。よって、エクスポートしたCSVに対し、必要に応じて項目のデータフォーマットの変換を行い、Bulk APIを使ってファイルをセールスフォースに送信しインポートさせるという流れになる。

 Javaなどで開発する場合は、データフォーマットの変換やBulk APIでインポートする部分をコーディングする必要があるし、それにはHTTP通信の知識やAPIの学習など新たなスキルが必要である。よってレベル3に分類される。対してEAIツールを使えば、これらをたった数個のアイコンを並べるだけで実現できるため、品質、コスト、納期のすべてを改善できる。

 さらに、クラウドならではの考慮点として

  1. インターネット経由の通信はネットワークの問題が比較的出る場合が多いためリトライ処理などの実装が必要
  2. クラウドがメンテナンス中だったときの処理
  3. LAN環境に比べて低速かつ常に同じ速度が出るとは限らないので、設計上の考慮が必要
  4. ストレージやI/Oに対する課金の考慮(データ量をなるべく少なくして課金を抑える)

などがあるが、EAIツールであればこれらに対しても便利な設定画面が数多く用意されている。

 例えば弊社のSkyOnDemandでは、1.の対策としてリトライ条件やリトライ回数などが選択肢から選べるようになっているし、2.であれば自動的にリトライキューに入れることができる。

 また、国産のEAIツールであれば、全角から半角への変換、和暦から西暦への変換などの日本独自のルールにも対応しているので、より生産性向上に寄与できるはずだ。

 EAIツールを使えば、あえてクラウドを意識することなくマスタ連携が実現できることがお分かりいただけたのではないだろうか。もちろんEAIツールにはスケジューラーの機能も搭載されているので、構築した連携処理を1日1回や1時間に1回など定期的に自動実行することができる。

図2 社内のシステム間連携のイメージ図とクラウド連携のイメージ図を並べたもの 図2 社内のシステム間連携のイメージ図とクラウド連携のイメージ図を並べたもの

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