女子大生が異彩を放った「おばかアプリブレスト大会」D89クリップ(41)(2/3 ページ)

» 2012年03月26日 00時00分 公開
[@IT編集部@IT]

安心しておならできる世界を――「屁プリ」

 日本大学芸術学部デザイン学科3年生3人から成るチームは、1人1人がアプリのアイデアを披露。最後のアイデアが“爆弾”だった。

 「わたしの彼氏がメールを返してくれないので」――最初にプレゼンした飯田由宇里さんは、メールがたまると古いメールが地層のように堆積し、虫に食われて読めなくなっていく「地層メール」を提案。古いメールが読めなくなる前に、彼氏が返信してくれるようになるのでは、という期待を込めたアプリだ。

左から、望野杏梨さん、増田貴明さん、飯田由宇里さん 左から、望野杏梨さん、増田貴明さん、飯田由宇里さん

 ブレスター陣からは「アナログ的な思考は面白いが、彼氏のメール問題にはまったく役立たない」という意見が続出。「僕が彼氏だったら読まないね。地層になって読めなくなっちゃったよーと、返信できない言い訳にする」(安斎さん)。返信の強制力を持たせるには、「メールを読まないと、虫がわいてきてiPhoneに迷惑行為をする」(布目さん)など、迷惑なアプリにする必要がありそうだ。

 唯一の男子学生参加者、増田貴明さんが提案したのは「指紋迷路」というアプリ。写真に撮った自分の指紋で迷路を作り、その難易度で人生を占うというものだ。「手相で人生が分かるなら、指紋でも分かるんじゃないかと思って」。自分の迷路を投稿したり、他人の迷路を見ることもできる。「自分より難しい迷路をみつけて安心するのもいい」(増田さん)。

 安斎さんは、手相占いは蓄積されたデータに基づいたある程度信ぴょう性の高いものだと指摘。「むしろ、手相でシワをたどってどこまで行けるかをやった方が、商業的にはいいよ」(安斎さん)。さらに、「占いはいらない」という意見でブレスター陣が一致。「がんがん迷路を投稿していく方向でいいんじゃないか」(武笠さん)、「かかとの画像で迷路作っちゃたりとか」(坂本さん)。

 「おならがしたいけど、人に知られたくないことってありますよね」??最後にプレゼンした望野杏梨さんの「屁ぷり」というアプリ案に、会場は笑いに包まれた。屁ぷりでは、食生活などに関する質問に答え、木魚のような形の「お尻様」画像をタップすると、自分のおならのクサさと音のレベル――バレやすさのレベルが「ヘシベル」(Hb)という単位で表示される。

 おならをした場所を友人と共有できる「おならエリア」機能も備えた。ユーザー投稿により、おならのバレやすい安全区域、危険区域をマッピングできるという。「おならエリアはユーザー投稿によって更新されるので、みんな安心しておならできる世界になります」(望野さん)

 「ついに来ましたね……。これです、おならです!」――安斎さんは大興奮。「正直何の役にも立たないが、宝の山ですよ! おならしたポイントを追加していって自分の“おなら地図”を作ったり、おならでマーキングして陣地を取る……“おなら戦国時代”にしたり……」とアイデアがあふれてくる。「遊びのポテンシャルはめちゃくちゃ高いが、おならをバレたくないのか言いたいのかがよく分からない。だが、めちゃめちゃ面白い」と坂本さんも高く評価していた。

4年間の大学生活をかけて――女子大生入魂アプリ

 トリを務めたのは、日本大学芸術学部デザイン学科4年生の正田冴佳(しょうだ・さえか)さんと、中澤綾香さんのコンビだ。2人はきょうに向け、50以上のアイデアを練り、中から厳選した3つのiPhoneアプリのアイデアを持ち寄った。

正田さん(左)と中澤さん 正田さん(左)と中澤さん

 1つめの「アルプスの丘で」は、駆け寄ってくる少女と手をつなぎ(画面両端をタッチし)、一緒にぐるぐる回るだけのアプリ。一緒に笑うと笑い声が再生され、たくさん回ると一緒に回れる女の子の数が増える。「とても平和で、幸せな時間が過ごせます」(正田さん)

「アルプスの丘で」を楽しんでいる様子 「アルプスの丘で」を楽しんでいる様子

 「ジェットコースター」は、iPhoneをジェットコースターに見立てたアプリ。iPhoneを傾けると、画面に表示された乗客の表情に緊張が走る。勢い良く振り回すとiPhoneがジェットコースターと化し、乗客たちがキャーキャー喜ぶ。あまり振り回しすぎるとすすり泣きはじめる――というものだ。ミニカー遊びとジェットコースターを融合したという。

ジェットコースター」を楽しんでいる様子 ジェットコースター」を楽しんでいる様子

 「このアプリには、4年間の学生生活のすべてがかかっています。日々の何気ない生活にたくさんの出会いがあったこと。無駄な出会いなんて、ない。そんな気持ちを込めた」――正田さんが厳かに紹介した最後のアプリ「風とともに去りぬ」は、読みかけの本や、友だちから借りたCDなどにふいに現れる“アイツ”を、アプリで再現したものだ。

 アイツとは……黒くて短い、縮れた毛。

 そう、陰毛だ。

 風とともに去りぬをインストールすると、ロック画面やメモ画面、メール画面、地図アプリなどに不意に陰毛が現れる。フッっと吹き飛ばすと飛んで行く。「彼らは身を挺して、出会いの尊さ、はかなさを教えてくれる」(正田さん)

地図にも 地図にも
メール画面にも メール画面にも
吹けば飛びます 吹けば飛びます

 安斎さんは、「最終的に何をしたいかという目的がはっきりしているのがいい」と賞賛。「これを、“ち●毛くん”とかいうキャラクターにしないところがいいね。いや、コンチの話はしてないよ!」(安斎さん)

おならも音楽になる

 すべてのプレゼン終了後、安斎さんは、「これだけおばかだったら申し分ない。正直、8月のおばかアプリ本戦が恐いね」と総括。「僕の知っているおならのキングに、スチャダラパーのアニがいる。彼はおならをいちいちテープに録音して半年分ため、それを聞いてみたら、リズムのあるいい曲になったらしい。人間には無駄なものがないから、頑張って!」とエールを送っていた。

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