モバイルアプリの各画面は、Single Page Applicationコントロールに埋め込まれたMobile Pageコントロールで作成します。開発者はMobile Pageコントロールの中に、ヘッダやボタンといった数々の部品を埋め込み、1つの画面を設計していきます。
図3は、Lotus Domino Designer上でのモバイル画面設計の様子を示しています。
図内の緑丸の部分はコントロール内に別のコントロールを埋め込める領域です。Mobile Pageコントロール内にPage Headingコントロールを配置するなど、必要なコントロールをこの部分にドラッグ&ドロップで配置し、画面を構成していきます。
XPagesモバイルコントロールの中でもコンテナの役割を担うコントロール(「Mobile Page」「Page Heading」など)には、必ず埋め込み可能な領域が存在します。この領域を活用することで開発者はあらかじめパッケージングされたコントロールであっても内部の設計をある程度自由に変更できます。
XPagesモバイルコントロールが提供するさまざまなコントロールを配置することで、モバイルアプリの基本構造を直感的に構築できます。さらに各コントロールに用意されたプロパティを設定することで、コントロールの見栄えや動作を細かく設定できます。
シングルページアプリケーションの構造を用いて作られたモバイル用XPagesアプリでは、図2で示したように、生成されるHTMLにMobile Pageコントロールによって作られた複数の画面が含まれます。このアプリを開いたときに端末で最初に表示される画面は、図4で示すようにSingle Page Applicationコントロールの「selectedPageName」プロパティで指定します。
初期画面の設定の他にもXPagesモバイルコントロールでは下記のような設定ができます。
このように、さまざまな設定項目がコントロールのプロパティとして定義されているため、開発者はソースコードを直接記述することなく、プロパティを設定するだけで、動作の詳細をコントロールできます。
XPagesはJavaScriptやスタイルシートなどのWebの標準技術を利用し、見栄えや操作性の良いWebアプリを効率的に開発できる環境を提供しています。さらに、Lotus Notes/Domino 8.5.3 Upgrade Pack 1でDojo MobileをベースとするXPagesモバイルコントロールを提供するようになりました。
今回はXPagesモバイルコントロールの概要を紹介しました。XPagesモバイルコントロールを使うことによるモバイルアプリ開発の容易性、モバイル特有の開発手法が分かったと思います。
次回からは、具体的なアプリの開発を例に、XPagesによるモバイルアプリ開発についてより詳細に紹介していきます。
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