IDCフロンティアは10月16日、各顧客に専用環境を提供するプライベートクラウドサービス、「IDCフロンティア プライベートクラウドサービス(IDCFプライベートクラウド)」を同日に提供開始したと発表した。
これは、ハイパーバイザにVMware ESXi、クラウド運用基盤としてCloudStackを利用したIaaS。一般的なパブリッククラウドサービスでは物理サーバやストレージ装置、ネットワークスイッチを複数の顧客で共用するのに対し、IDCFプライベートクラウドでは顧客ごとに専用のハードウェアを提供する。
各顧客に専用のハードウェアを提供しながらも、IDCFのパブリッククラウドサービスと同様、ユーザー組織の運用担当者は、セルフサービスポータルから仮想マシンのプロビジョニングができるほか、利用者専有の仮想アプライアンスをCloudStackの管理画面から作成したアカウント毎に設定することにより、NATやファイアウォール、負荷分散、VPN構成などができる。vCenterによる仮想マシンのパフォーマンス情報の確認、VMotionの操作などができる。さらにIDCFのパブリッククラウドサービスと同様、RightScaleを使ったハイブリッド/マルチクラウド構成もできる。
具体的な提供リソースは次のとおり。物理サーバは、標準構成で4台提供。2台単位で増設することができる。ストレージは、一次ストレージについては各顧客に個別の装置を提供する。スナップショット用の二次ストレージボリュームについては、装置は共用。顧客単位でボリュームを分ける。ネットワークスイッチは、顧客ごとにサーバ群の前段に2台(冗長構成)、ストレージアクセス用に2台(こちらも冗長構成)の計4台を専用で提供する。
インターネット接続については、100Mbps、300Mbps、1Gbps、その後1Gbps単位で増速可能。IPアドレスについては、グローバルIPアドレスを/25、つまり128個、各顧客に割り当てるという(プライベートIPアドレスは/22)。
新サービスの可用性は、IDCFのパブリッククラウドサービスと同一の99.995%。24時間365日の監視に加え、同じく24時間365日のハードウェア交換も行う。仮想マシンのフェイルオーバ機能も提供する。
料金は初期費用無料で月額課金。個別見積もりであり、公開されている料金表はない。IDCFによると、物理サーバ1台に収容する仮想マシンの台数に応じて段階的に課金する方式も導入するという。非常に大まかな目安でいえば、物理サーバ1台に20の仮想マシンを動かすことを想定した場合、仮想マシン1台当たり約1万円になるだろうという。
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