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» 2012年10月31日 18時00分 公開

JavaによるマルチOSスマホアプリ開発「Codename One」登場、Javaの父GoslingがTシャツを投げた!JavaOne 2012まとめレポート(2/3 ページ)

[山本裕介,フリーランスエンジニア]

次のJavaのイノベーションを担う面々、HadoopのClouderaやTwitterも

 今回のJavaOneのテーマは「MAKE THE FUTURE JAVA」となっている。エンタープライズで確固たる地位を築いているJavaが今後どういった方向へ進む可能性があるのか、「ワールドクラスのイノベーション」を起こしている団体の代表としてCloudera、Twitter、Eclipseなどのメンバーが壇上に呼ばれパネルディスカッションが行われた。

パネルディスカッション登壇企業・団体

 それぞれ思い思いに語っていたが、特に現在のIT業界のイノベーションの源泉となっているクラウド、BigData、リアルタイムなどの技術の多くをJavaが支えていること、そしてJavaが実証された堅牢なプラットフォームであることを強調していた。

パネルディスカッション登壇の面々

 そして、Javaを核としたイノベーションを起こした人々をたたえる場としてDuke's Choice Awardがあることを紹介し、本年同賞を受賞したLondon Java Communityを代表してMartijn Verburg氏が登壇した。

London JavaユーザーグループのMartijn Verburg氏(左)

 同氏は失敗の1つとして数えられることもあるEJB 2.0を例に、Javaの仕様策定に企業だけではなくコミュニティももっと積極的に関わっていくべきだとうったえ、「Adapt a JSR program」を紹介した。

 同プログラムは、ややハードルの高いJCP(Java Community Process:Javaの仕様策定をする機関)にJavaユーザーグループが主体となりより容易に仕様策定に関われるよう手助けをすることを目的としているそうだ。氏は「Let's help make better standards」(より良い仕様を皆で作っていこう)と締めくくった。

Javaの父登場のサプライズ!

 コミュニティキーノートの終盤を盛り上げたのは「ロボット」とJames Gosling氏だ。James Gosling氏はJava言語開発の中心人物で、サン・マイクロシステムズでも代表的なカリスマであった。オラクルがサン・マイクロシステムズを買収したのち、2010年2月に退職しており、Javaコミュニティに対して一定の距離を置いてきた。

 その動向は常に注目されており、ここ数年JavaOneでその姿は見掛けられたものの、買収後今回初めてJavaOneの舞台に正式に上がり大きなサプライズとともに歓迎された。

サプライズゲストはJavaの父、James Gosling氏(左)

 オラクル退職後、短い間グーグルに籍を置いていた同氏は現在Liquid Roboticsという企業に従事している。同社は海洋汚染や地球温暖化を調査するための洋上無人調査ロボットを開発・運用している。Gosling氏によるとARMベースのボード上でJava 7が動作しているという。

さまざまなセンサを搭載して海洋調査を行っているLiquid Robotics社のロボット

 Gosling氏は同社のロボットの波の高低差を使った発電や自立航行システム、独自のデータ交換アーキテクチャなどを技術的な詳細を余すことなく解説した上でリモート監視・管理用のデスクトップアプリケーションを披露した。

 オラクルが現在推しているJavaFXではなくSwingベースであることを冗談交じりに謝りつつも、世界各地の洋上に浮かぶ同社のロボットを地球儀上に表示させながら航行速度、バッテリーの残量などをモニタリングできるリッチなアプリケーションは必見ものだ。

 「近年注目されるHTML5でも同様の表現は技術的には可能かもしれないが、誰がこんなものをHTML5で作りたいだろうか? Javaだからこそ容易に実現できた」ものであるとあらためてJavaの高い生産性をアピールした。

管理アプリケーションのデモ管理アプリケーションのデモ(画像をクリックすると、デモの動画が再生

恒例のTシャツ投げもGosling氏が!

 遊び心あふれるJavaOneらしい恒例行事の1つにTシャツ投げがある。基調講演の壇上からTシャツを手で投げるか、スリングを使って飛ばしてプレゼントするというお茶目なものだが今年は久しぶりにGosling氏がこれに参加した。大きなサプライズのない今年のJavaOneだが、サン・マイクロシステムズの買収以来オラクルと一定の距離を保ってきたGosling氏が、まだまだJavaのコミュニティで健在であることを象徴する出来事とも言え、長くJavaを愛する開発者たちは、これを大いに歓迎し盛り上がった。

楽しそうにTシャツを投げるGosling氏

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