統合仮想化インフラ製品であるVblockを提供するVCE Companyは11月8日、ネットワールドとネットワンパートナーズを付加価値ディストリビュータに選定したと発表した。VCEのユニークさとは何か。
統合仮想化インフラ製品であるVblockを提供するVCE Companyは、国内における展開を強化する。同社は11月8日、ネットワールドとネットワンパートナーズを付加価値ディストリビュータに選定したと発表した。2社はそれぞれの販売パートナーにVblockを再販。輸入、インストールなどのサービスを実施する。
VCE Companyは、米EMCと米シスコシステムズが共同で設立し、ヴイエムウェアなどが資本参加して、2010年に本格的な活動を開始したAcadiaが改称されて誕生した企業。シスコのサーバ、EMCのストレージ、ヴイエムウェアの仮想化ソフトウェアをパッケージ化して販売する活動を行ってきた。
国内では2010年2月に、シスコ、EMC、ヴイエムウェアの3社がVblockの提供について発表。ただし、米国などではVCEが当初からVblockを1製品として販売してきたのに対し、日本では販売パートナーが3社の製品を各社から別個に仕入れる形態でスタートした。その後2011年には日本の顧客に対しても、1製品として納入する形態に移行したという。
日本における販売については、これまでネットワンシステムズ、アクセンチュア、ソフトバンクなどが戦略的アライアンス・パートナー/リセラーとして活動してきた。これらの企業は基本的に、顧客に対してVblockを直接販売している。一方、ネットワンパートナーズとネットワールドは、他社への再販を前提とした活動を行う。今回の発表により、Vblockを提供できる企業の数が大きく増えることになる。
EMCは2012年になって、「VSPEX」という別の統合仮想化インフラ製品提供プログラムを提供開始した。こちらはシスコおよびそれ以外のさまざまなベンダのサーバ、シスコあるいはブロケードのスイッチ、ヴイエムウェアあるいはマイクロソフトのハイパーバイザ、ヴイエムウェアあるいはシトリックスのデスクトップ仮想化製品を組み合わせる。製品提供ベンダおよび納入製品の構成の点で、柔軟性を重視したプログラムだ。EMCの販売パートナーが主体となり、製品を組み合わせて顧客に提供する。
これに対し、VblockではVCEが自らの責任に基づいて固定的な構成をつくり、複数の構成で製品ラインナップを組み立てている。そしてこれを前提として、サポート体制を整えている。ネットワールド代表取締役社長の森田晶一氏が発表の場で、「VCEはコンピュータメーカーのような存在」と表現していたが、VCEは3社の製品を使ってはいるものの、これを自社製品として提供する活動を行っている点がユニークだ。
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