グーグルがiPhone向けのネイティブ版地図アプリ、「Googleマップ」をリリース。同時にSDK提供も開始した。
グーグルは2012年12月13日、iPhone向けのネイティブ版地図アプリ、「Googleマップ」をリリースした(発表ブログ)。App Storeからダウンロードできる。第4、第5世代のiPod touchで使えるほか、公式サポートではないが同じiOSを搭載したiPadでも利用できる。
アプリのリリースと同時に、iOS向けアプリに組み込んで使える新SDK、「Google Maps SDK for iOS」の提供も開始した(発表ブログ)。SDKのドキュメントでは、他のネイティブアプリからGoogleマップを呼び出すためのURLスキームも紹介されている。
アップルは2012年9月にリリースしたiPhone/iPad向けのiOS 6において、それまで標準アプリとして採用していたグーグル社製の地図アプリを自社製に置き換えた。iOS 6の新しい地図アプリは、地名や施設名の位置や名前が不正確、情報量が少ないなどとして多くのユーザーから批判を浴び、アップルCEOのティム・クック氏が謝罪するメッセージを出す騒ぎにまでなっていた。その後も問題の多くは解決しなかったため、多くのユーザーにとっては待望の地図アプリのリリースとなる。
東京のグーグルオフィスで記者会見した同社プロダクトマネージャーの牧田信弘氏は、アップル社が地図アプリをGoogleマップから自社製に切り替えた決定については直接のコメントを避けたが、「Googleマップをありとあらゆるデバイスを通して提供したいという思いは、ずっとあった。ユーザーの多いiPhoneユーザーにも届けたいと考えて提供にいたった」と背景を語った。
新しくなったGoogleマップでは、iPhone向けに開発された新UIを採用。左右に端末を振る動作をすることでフィードバック画面が呼び出せたり、左右へ2本指でスワイプすることで経路案内の選択肢を切り替えたり検索にヒットした複数の店舗情報を順次閲覧するなどのインターフェイスを実現している。機能的には音声検索ができないことを除けばAndroid版と同等だが、UIはよりiPhoneらしいものとなっている。
ローカル検索、経路検索、渋滞情報、音声を使ったナビ機能、ストリートビューなども搭載する。ログインしておくと、PCと検索結果やお気に入りの場所などを同期しておくこともできる。ズームインやズームアウトのほか、2本指で地図を回転させたり、3D表示に切り替えることができる。ローカル検索では、店舗情報やストリートビュー、電話発信、ユーザーレビューなどを連携して使えるなど、1つのアプリとして統合されている。
iPhone向けGoogleマップ提供に合わせて、新たにネイティブアプリ向けのSDKの提供も開始した。地図機能を埋め込むだけでなく、開発者が独自にマーカーやポリライン、情報ウィンドウを付加できる。開発環境としてXcode 4.5以降、iOS SDK 6.0以降をサポート。アプリ提供ターゲットはiOS 5.1以上となる。
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