Zabbixのデータ格納にNoSQLを利用したら性能は? ミラクルが検証NoSQL用ミドルウェアを独自開発

ミラクル・リナックスは2月14日、オープンソースの統合監視ソフトウェア「Zabbix」に、NoSQLの「Cassandra」を組み合わせることで、性能を最大3.4倍高速化できたとする研究成果を発表した。

» 2013年02月15日 19時47分 公開
[@IT]

 ミラクル・リナックスは2月14日、オープンソースの統合監視ソフトウェア「Zabbix」に、NoSQLの「Cassandra」を組み合わせることで、性能を最大3.4倍高速化できたとする研究成果を発表した。これを実現するために独自開発したミドルウェア「History Gluon」もWeb上で公開している。

 Zabbixは、サーバやアプリケーションの統合監視を行うためのオープンソースソフトウェアだ。Webインターフェイスで容易に操作できること、監視機能が豊富なこと、また監視データをRDBMSに格納することにより、データの長期保存や解析が可能ことなどが特徴だ。

 現時点では、監視データの保存先としてMySQLが利用されることが多い。しかし監視対象システムが大規模になればなるほど、データベースがボトルネックになる懸念がある。今回のNoSQL活用に関する検証は、こうした背景から行われた。

 Zabbixのデータ格納先としてNoSQLを活用できるようにするため、ミラクル・リナックスでは本体のソースコードに一部変更を加えたほか、ミドルウェアのHistory Gluonを独自に開発。これを介して、NoSQLデータベースにデータを書き込めるようにした。

 検証では、5秒の監視間隔で、30分間の監視データ書き込み処理数を比較した。データベースとしてMySQLを採用した場合、監視項目数が8000点程度までは正常に書き込みが行われたが、それ以上項目数を増やすと処理数が低下。一方Cassandraを採用した場合は、監視項目数が2万2000点程度までは正常に書き込みが行われ、30分間で最大約800万件の監視データを書き込むことができたという。

 なおHistory Gluonは、HBaseやRiakといったほかのNoSQLにも対応しており、これらについても検証を行ったが、Riakの性能はMySQLと同程度で、HBaseではあまり性能が発揮できなかった。

 同社は今後も研究を続け、さらに監視項目数が増えた場合のボトルネック解消と性能向上を目指すという。

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