米上院で、インターネット通販業者からの売上税徴収強化法案が賛成多数で支持された。
米上院で3月22日、インターネット通販業者からの売上税徴収強化法案への支持を問う採決が行われ、賛成多数で支持された。
米経済紙Wall Street Journalによると、この日の採決では州政府が州外のネット通販業者から売上税を徴収することを認める内容の改正法案が、75対24の賛成多数で支持された。同法案自体に拘束力はないものの、実店舗とネット通販業者との対等な競争を目指す「市場公正法案」の通過を目指す勢力にとって有利になるとみられている。
米国では現在、インターネット通販業者は州外での販売に対しては売上税の徴収が義務付けられておらず、消費者も州外のネット通販業者で買い物をすれば売上税を払わずに済む場合があった。これに対して全米小売連盟などが、現状では実店舗が不利になると訴え、マイク・インジ上院議員らが市場公正法案を提案している。
一方、法案に反対する側は、「小売業者に対して物理的拠点を持たない州での売上税の徴収を義務付ければ、過度な負担を生じさせる」とした1992年の米最高裁の判例を根拠に、課税が強化されれば小規模ネット通販業者に不利になると主張してきた。
米国では売上税の税率や品目などが州や自治体ごとに異なっており、全米の小規模ネット通販業者で作る「WE R HERE」は、「ネット通販業者が個々の買い手の州で売上税の徴収を義務付けられれば、6900もの州や自治体の税制に対応しなければならなくなる」と訴えている。
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