米Googleが開発したオープンソースのWeb向け画像フォーマット「WebP」をFacebookが採用したことをめぐり、ユーザーから不満が噴出しているという。
米Googleが開発したオープンソースのWeb向け画像フォーマット「WebP」をFacebookが採用したことをめぐり、ユーザーから不満が噴出しているという。
WebPは、ビデオフォーマット「WebM」のビデオ圧縮技術「VP8」を使った画像フォーマットで、Googleが2010年に発表した。JPEGに比べた圧縮率の高さが特徴で、Googleの実験によれば、WebMのファイルサイズはおおむねJPEGの70%前後になるという。
ただ、WebPをサポートしているのはまだGoogleのChromeやOperaなど一部のブラウザのみ。Internet Explorer(IE)やFirefoxなどの主要ブラウザはサポートしておらず、一般的な画像ビューワや画像編集ソフトで扱うこともできない。
IT情報サイトのArs Technicaなどによると、Facebookはネットワークコストの削減とサイト高速化の目的で、このフォーマットを採用した。ユーザーが投稿したJPEG写真をWebPに変換し、Chromeなどのブラウザを使っている一部ユーザーには、実験的にこの形式の画像を表示しているという。
ところがその画像をローカルに保存して、加工したり共有しようとした場合に問題が生じる。GoogleグループのWebPプロジェクトページには、「webp大嫌い。このために専用ビューワが要るなんてうっとうしいどころじゃない。前みたいに.jpgの画像が欲しい」「昨日まではFacebookから正しいフォーマットの画像がダウンロードできていたのに、今は.webpの拡張子でダウンロードされる。どうしたら修正できる?」などの投稿が書き込まれた。
Firefoxは現在、WebPのサポートを検討しているが、実現の見通しは示されていない。Ars Technicaは「WebPのサポートが浸透するまで難しい状況は続くだろう。帯域幅の30%削減はWebホストにとっては魅力的かもしれないが、ほとんどのエンドユーザーにとってはごくわずかな違いしかない。ユーザーの不満を買ってまでこの数バイトを削減しようと思う者はほとんどいないだろう」と論評している。
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