米オラクルが、「エンジニアドシステム」や運用管理製品において、クラウド環境の自動運用管理ツールやOpenStack互換API対応を発表した。
米オラクルは2013年9月24日、「Nimbula Director」と「OpenStack API」の「Oracle Exalogic Elastic Cloud(Exalogic)」への統合を発表した。
Exalogicは、オラクルが「エンジニアドシステム」と呼ぶ、垂直統合型サーバアプライアンス製品。同社ハードウェア上に、「WebLogic Server」「Fusion Middleware」「Coherence」「Tuxedo」といったミドルウェアがあらかじめセットアップ・チューニングされている。
Nimbula Directorは、Amazon EC2の開発チームやヴイエムウェアの元メンバーらが創業したベンチャー企業、Nimbula社(2013年3月にオラクルが買収)が開発したIaaS構築ソフトウェア。プライベートクラウド環境内でAWSのEC2やS3のような環境を構築できる。また、遠隔サイトやパブリッククラウド環境も、プライベートクラウド環境と同一のコンソール上から管理できる。Nimbula Director自身は、単一障害点を持たないアーキテクチャを指向していることから、ミッションクリティカルな要件を持つシステムにおいて、柔軟な伸縮を自動実行する際にも利用できるようになる見込みだ。
Exalogic上でNimbula Directorを使うことで、自社基盤上にクラウド環境を構築できる。また、単独のExalogicラックだけでなく、数千の仮想マシンや多数のラックで構成されたクラウド環境への拡張も可能になる。
統合システム運用・管理ツールである「Oracle Enterprise Manager 12c」もNimbula Directorと統合していく。これにより、DBaaS(Database as a Service)、JaaS(Java as a Service)、MWaaS(Middleware as a Service)を含むPaaS環境を統合管理できるようにするという。
併せて「Oracle Applications」などのプロビジョニングと構成を簡略化し、自動化も進める。
Nimbula Directorでは、OpenStack APIにも対応しており、OpenStackの仕様に準拠した外部クラウド環境との連携も可能になる。これにより、Exalogic側で必要があれば外部コンピューティングリソースやストレージを柔軟に管理・利用できるようになる。一方で、既存のOpenStack APIに準拠したクラウド管理・運用ツールを介して、Exalogic側も統合管理できるようになる。
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