CERNの研究チームが、インターネット初期に使われた「Line Mode Browser(ラインモードブラウザ)」を再現し、20年前のWeb閲覧を体験できるシミュレータを公開している。
欧州合同原子核研究機関(CERN)の研究チームが、インターネット初期に使われた「Line Mode Browser(ラインモードブラウザ)」を再現し、20年前のWeb閲覧を体験できるシミュレータを公開している。
Line Mode Browserは1992年に登場した世界で2番目のWebブラウザで、NeXT以外のOSにも対応できるクロスプラットフォーム性能を初めて実現した。現代のブラウザと違って表示できるのはテキストのみ。マウスを使ったり、リンクをクリックしたりすることもできず、すべての動作はキーボードからコマンドを入力しなければならない。
CERNのチームはこの歴史を残し、当時のWebを体験してもらう目的でシミュレータを開発した。HTML5など現代のブラウザ技術を駆使しながら、オリジナルのレンダリングエンジンにできるだけ忠実に従い、文字を1文字ずつ解析して画面に表示する方式や、キーボードを押した時の音まで再現している。
シミュレータでは世界で初めて公開されたWebページを閲覧できるほか、現代のWebサイトもできる限り正確に処理できるようにした。見え方は違い、画像も表示されないものの、HTMLの後方互換性と、認識できないタグは無視するラインモードブラウザの設計のおかげで、現代のWebページの多くはラインモードブラウザで表示して、文字を読むことができるという。
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