OpenStack Horizonをベースにした管理コンソール、ハイスペックなインスタンスの提供などが盛り込まれる。
米ヒューレット・パッカード(HP)は2013年12月2日、パブリッククラウドソフトウェアの最新版となる「HP Public Cloud 13.5」のリリースを発表した。これまでのパブリックβから正式版となり、ビッグデータ分析など大量のリソースを消費するワークロードへの対応強化、Software-Defined Networking(SDN)によるセキュリティ強化などが特徴となる。
バージョン13.5はOpenStackプロジェクトのうち、Webコンソール機能を提供するコンポーネントである「Horizon」をベースとして、Consoleインターフェイスを刷新。新たにメモリ120Gバイト、16仮想コアまでのインスタンスが利用可能になり、ビッグデータ分析や高性能コンピューティング(HPC)のワークロードにパブリッククラウドで対応できるようになった。
仮想プライベートクラウド(VPN)ネットワーキングの新機能では、HP Cloudサービス内で孤立した仮想ネットワークが構築できるようにしてセキュリティの強化を図った。DNSスタックを利用すれば、インターネットからパブリッククラウドネットワークインスタンスへのアクセス可否を選択できる。
この他にもネットワークトポロジの可視化機能や、データアップロードの高速化、リージョンをまたぐレプリケーション機能などを提供する。
Horizonコンソールを使ったファイルアップロードサイズは50Mバイトまでとしていた上限をなくし、Cloud Consoleを使ったアップロードでは5Gバイトを上限とした。
ID管理機能も強化され、新たにCompute Network Admin、Compute Project Manager、Identity Domain Admin、Identity Domain Userなどの役割が割り当て可能になっている。
一方、Amazon Web Services(AWS)のAmazon Elastic Compute Cloud(EC2)APIやEucalyptusツールはサポートされず、カーネルアドレス空間以外の領域を使ってブートしたWindowsインスタンスは利用できないなどの制約もある。
また、大量のインスタンスを同時に起動しようとすると、一部のインスタンスでpingできなくなったり、SSH経由でアクセスできなくなるなど、現段階での課題もも挙げている。
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