Android 4.4では、いくつかの新しい表現方法を用いて、アプリの見た目や操作感を改善できます。
Android 4.4はChromiumベースの新しいWebView実装が提供されます。従来のWebViewに比べ、Web標準サポート、パフォーマンス、互換性が向上しています。「V8」というJavaScriptエンジンも含まれています。
さらに、新しいChromium WebViewは「Chrome DevTools」を使用したリモートデバッグをサポートしています。開発用PCからUSBで接続したAndroid端末をデバッグ可能です。
なおリモートデバッグは、AndroidのChromeブラウザを用いることで、これまでも可能でしたが、4.4からWebViewでもできるようになっています。
フルスクリーン没入モードでは、ステータスバー領域を非表示にして完全なフルスクリーンでアプリのコンテンツを表示できます。これは、写真、ビデオ、地図、書籍、ゲームなどのビジュアルコンテンツが豊富なアプリで特に便利です。
Android 4.4では、フルスクリーンモードでシステムUIにアクセスするための新しいジェスチャーが追加されました。画面の上部または下部をスワイプするだけです。
アニメーション遷移フレームワークを用いることによって、開発者はシーンを定義するだけで高品質なアニメーションを簡単に実装できます。シーンはいくつかの定義済み遷移タイプを使用して定義できます。
また、シーンを定義せずに動的にUIをアニメーションさせることもできます。例えば、「TransitionManager」クラスを用いることでビューへの変更が自動的にアニメーションとして遅延実行されます。
開発者がシーンを定義したら、それを呼び出してアニメーションさせることは容易です。例えば、ビューへの変更後にメソッドを呼び出すことで、次のフレームからアニメーションで変更内容が可視化されます。
Android 4.4ではステータスバーとナビゲーションバーなどで半透明のシステムUIが利用可能です。可能な限りアプリのコンテンツを表示したいアプリや背景が見える必要があるアプリなどで利用することになるでしょう。
Notificationリスナーサービスは、着信通知の詳細情報を見られるようになりました。
また、テキスト、アイコン、画像、進捗(しんちょく)、クロノメーターなどのNotificationに関する情報を抽出し、それぞれ別の見せ方でそれらを表示することも可能です。
Android 4.4では、アラビア語などの右から左へ記述する言語のための新機能が追加されました。
アプリがRTL(Right to Left writing)スクリプトを使用するユーザーをターゲットにしている場合、開発者は新しいAPIを使うことで、抽象クラス「Drawable」が自動反転される必要があることを宣言します。
Drawableの自動反転宣言は開発者のアプリでassetsの重複を防ぎ、APKサイズを小さくします。開発者はLTR(Left to Right writing)とRTL表示の両方に再利用可能なDrawableを持っている場合、自動ミラーリングされたデフォルトのバージョンを宣言し、RTLリソースからそれらDrawableを省略できます。
RTL言語に設定変更せずとも簡単にレイアウトをテスト、デバッグできるように、全てのアプリでRTLレイアウト方向を強制する新しい開発者オプションが追加されました。
Android 4.4では、以下のアクセシビリティの新機能が追加されています。
Android 4.4のアクセシビリティAPIは、画面構成要素のより正確な構造と意味記述を解釈するようになりました。これにより、開発者は画面構成要素の詳細情報をユーザー補助サービスで利用でき、より高品質なフィードバックが可能になります。
Android 4.4では、字幕設定が追加されました。
ユーザーは字幕設定で、言語、サイズやフォント、背景色と前景色を設定でき、字幕を表示する必要のあるビデオプレイヤーなどのアプリでは、この設定に従って字幕を表示できるように設定を取得する必要があります。
「VideoView」クラスでは、ビデオストリームとともに字幕を渡すための新しいAPIが追加されました。また「VideoView」では、ユーザー設定に従った字幕が自動的に表示されますが、サポートしている字幕形式はWebVTTだけです。
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