国際電気標準会議は2013年12月16日、ノートPCの外部充電器の国際規格統一に向けた初の技術仕様「IEC/TS 62700」をまとめた。最終的な仕様は2014年の早い時期に公開される見込みだ。
国際電気標準会議(IEC)は2013年12月16日、ノートPCの外部充電器の国際規格統一に向け、「IEC/TS 62700: DC Power Supply for Portable Personal Computer」をまとめた。最終的な仕様は2014年の早い時期に公開される見込みだ。
IEC/TS 62700は、ノートPC用外部充電器のコネクタやプラグの統一規格に加えて、安全性、相互運用性、性能、環境への配慮なども網羅している。
その背景としてIECは、ノートPC用の充電器は大抵が別のコンピュータでは使用できず、なくしたり壊れたりした場合、まだ完璧に機能するコンピュータ本体まで捨てる羽目になりかねないと指摘する。こうした充電器に関連した「電子ゴミ」の総量は年間推定50万トンを超え、車50万台分に匹敵するという。
統一規格であるIEC/TS 62700が実現できれば、こうした廃棄物が大幅に減るとともに、消費者は1つの充電器を幅広いノートPCで使うことが可能になり、必要な時に充電器の交換や再利用ができるようになるとしている。
IECはデータ通信対応の携帯電話用充電器についても2011年に国際統一規格を打ち出している。欧州では現在、電子技術分野の標準規格の82%がIEC規格を採用しているという。
業界では、あらゆる種類の情報通信技術端末をカバーできる電源アダプタの規格統一を図る動きもあるという。しかしIECは「現時点で手が届かない夢を追うのではなく、市場に手堅い解決策をもたらすために、世界の技術専門知識を活用してきた」と説明している。
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