マイクロソフトのERP製品であるDynamics AXの次期バージョンはAzure環境活用を支援する内容に。新たなモバイルアプリケーション開発用フレームワークもAzureが提供するサービスを活用できる。
米マイクロソフトは2014年3月4日、米アトランタで開催した「Dynamics Convergence 2014」カンファレンスにおいて、エンタープライズ向けERP製品の最新版となる「Microsoft Dynamics AX 2012 R3」を披露した。2014年5月1日から提供を開始する見通しだ。
Dynamics AX 2012 R3では、新たにWindows Azure(Azure)への導入が可能になった。パブリッククラウドサービスであるAzureを通じてデータの高可用性と災害復旧機能を実現、ビジネスデータをクラウドに保存して、事実上いつでも、どこからでも引き出せるようになる。
Dynamics AX 2012 R2ではAzure環境への迅速な導入を支援するために、設定済みの環境を用意、本稼働までの時間短縮を図るとしている。また、ライフサイクルサービスでは、Azureを活用した保守・サポートの新ソリューションを導入する。
早期導入している顧客の事例では、インシデントサポートを必要とした顧客の65%が、同サービスを使って自分たちで問題や疑問に対応できたとしている。
併せてモバイル対応も強化しており、Azureで提供されているActive Directoryフェデレーションサービス(ADFS)やWindows Azure Service Busなどを利用した新しいエンド・トゥ・エンドのサービスフレームワークが導入される。これにより、特定の用途やモバイル端末用のアプリケーションを独自に開発・配信してDynamics AXとセキュアに接続できるようになるという。
同カンファレンスではこの他、「Dynamics CRM」と「Dynamics GP」の最新版を2014年第2四半期に、モバイル機能を搭載した「Dynamics NAV」の最新版を同年第4四半期に、それぞれリリースする予定も発表した。
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