LINEは4月15日と17日の両日、世界初となる「LINE Developer Conference」を開催。LINEプラットフォームの全体像を明らかにした。本稿では、その中でもLINEプラットフォームを統べるChannel Gatewayとは何か、LINEビジネスコネクトの仕組みとは、インフラをどのように高速化しているのかなどについてお届けする。
サービスを開始して3年足らずで登録ユーザー数4億人を突破し、さらなる成長を続けるLINE。トーク送受信件数は1日で最大100億件に達している。こうした成長を支えるために、同社はどのような技術を使ってインフラやプラットフォームの構築を進めてきたのだろうか。
これまで、LINEのサービスを支えるインフラやプラットフォームについての詳細は公表されてこなかったが、4月15日と17日の両日、その技術の詳細をデベロッパーに披露する初めての「LINE Developer Conference」が渋谷の本社カフェテリアで開催され、その全容が明らかになった。
本稿では、「プラットフォーム」をテーマとした2日目のカンファレンスの内容を基に、LINEプラットフォームの全体像を紹介する。
4月17日のカンファレンスでは、最初にLINE開発の総責任者で上級執行役員 CTOを務める朴イビン氏が、カンファレンス開催の目的を紹介。「伝えたいキーワードはずばり“グローバル”。世界市場での競争に勝ち抜くために、開発者がいかに品質の高いサービスを迅速に提供しようと日々努力を重ねているのかを紹介したい」と説明した。
LINEは現在、日本以外に、韓国、米国、スペイン、タイ、台湾の5カ国に支社を置き、その他の9カ国に連絡事務所を開設している。開発拠点は、東京、ソウル、北京、大連、台北、そして福岡にあり、協力してプロジェクトに取り組んでいるという。
また、サービスのグローバル展開を支援するために、各国の通信インフラなどの品質を測定。サービスの展開を推進する“LINE遠征隊”を組織し、世界各地に派遣している。
カンファレンスでは、続いて、同社 上級執行役員 サービス開発担当の池邉智洋氏が、今後のサービス展開について紹介。「FacebookやWhatsApp、WeChatといった競合サービスとのグローバル競争に勝ち抜くために、1つのサービスにこだわるのではなく、いろいろなレイヤーのサービスを提供していきたい」と強調した。
具体的には、LINE本体やゲームアプリだけではなく、「LINEマンガ」「LINE MALL」のような「ファミリーアプリ」やその他のアプリの充実も図っていく。池邉氏はその例として、台湾の企業が開発したスパム電話やメッセージの着信拒否アプリ「LINE Whoscall」を挙げる。今後は、このように現地のニーズにマッチした品質の高いサービスを積極的に提供していくとしている。
2日目のカンファレンス直前に受け付け登録が開始された「LINE Creators Market」もこうしたサービス充実の一環として提供が開始されたプラットフォームの1つである。これは、ユーザーが制作したLINEのトーク用スタンプを販売できるというもの。販売基準を満たしているかどうかの審査を通過すれば、「LINE STORE」上で企業/個人を問わずスタンプを販売できる。
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