米IBMは、SoftlayerやCloud Foundryなどを利用したPaaS環境「BlueMix」を軸に、多様なサービスを展開する。スタートアップ向けの環境「BlueMix Garages」も提供する。
米IBMは、開催中のイベント「Impact 2014」会期中である2014年4月29日、企業向けモバイルアプリケーション開発プラットフォーム「MobileFirst」のポートフォリオ拡充を発表した。コンシューマー向けと同様にシンプルで高速なエンタープライズアプリの開発を支援する。
このうち「MobileFirst Application Development」ポートフォリオは、オンプレミス版のモバイルエンタープライズアプリ開発プラットフォーム「Worklight」と、クラウドベースで同様の機能を提供する「BlueMix」で構成。いずれもモバイルアプリ向けDBaaS(サービスとしてのデータベース)の「Cloudant」と連携できる。
「MobileFirst Business Acceleration」では、金融や医療、小売などの業界ごとにあらかじめ設定されたアプリのスイート「IBM Ready Apps」を提供する。顧客は時間やリソースを最大60%削減できるとしている。
BlueMixは同社が2013年に買収したクラウドインフラの「SoftLayer」を基盤とし、オープンソースの「Cloud Foundry」やIBMのミドルウェアソフトウェアを組み合わせて開発されたPaaSで、さまざまなサービスやAPIを使ってWebアプリやエンタープライズアプリを開発できる。
この前日となる4月28日にはアプリケーション統合と新しいクラウドサービスの導入加速化を支援するため、BlueMixに新たに30以上のクラウドサービスを追加したと発表した。
新サービスは、組織のアプリとクラウドの情報のセキュアな連携を実現する「クラウドインテグレーション」、ネットワークに接続されたマイクロプロセッサや組み込みマシン、センサーといったデバイスをクラウドと連携させる「Internet of the Things」、オープンな統合開発環境を提供する「DevOps」などを提供する。
さらに、BlueMixを使って新しいアプリを開発したり開発スキルを身に着けてもらう場として、「BlueMix Garages」(Garage)のローンチも発表した。最初のGarageはまず、米サンフランシスコの新興企業が集まる地域に開設し、6月から本格稼働させる。新興企業などの開発者がIBMの専門家とともにクラウドインテグレーションなどのスキルを身に着け、BlueMix上で新しいクラウドアプリやサービスを開発できる場を提供する。
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