高速性を求められるインメモリデータベースもSoftware-Defined環境へ。SAPとヴイエムウェアの協業が進む。
SAPジャパンおよびヴイエムウェアは2014年5月29日、インメモリデータベース製品であるSAP HANAのvSphere 5.5環境上での動作をサポートすると発表した。動作保証環境は、SAP HANAアプライアンス、またはSAP HANAテイラード・データセンター・インテグレーション・アプリケーション認定のハードウェア上であることが条件。
VMware vSphereのインスタンスごとに、メモリ1Tバイトまで、32物理コア(64仮想コア)までを保証する。
これにより、VMwareが提供する機能をSAP HANA環境にも適用できるようになる。例えばvMotionを使った無停止でのインスタンス移行や、サイトリカバリマネージャ、VMware HAによるHA構成などだ。VMware HAを使った運用については、米EMCにおける2014年2月の検証において、同社VMware環境の一般的な可用性ベンチマークテストにおいて、特別な操作なしに99.9%が稼働したと記されている。
気になるのが、I/O性能や処理速度を期待したいインメモリデータベースをハイパーバイザー上に置く点だ。米ヴイエムウェアが公表しているデータシートによると、SAP HANAアプライアンスによる物理環境と比較検証した場合、多くのパフォーマンス指標で、約12%程度の劣化にとどまっているという。
今回の発表に際し、SAPジャパン バイスプレジデント エコシステム&チャネル統括本部長 反町浩一郎氏は「VMwareとパートナーシップを組むことで、お客さまのSAP HANAベースのミッションクリティカルなアプリケーションを仮想環境において高い信頼性で稼働することができます。さらには、Software-Defined Data Center、または最終的にはクラウドへの道を加速することができます」とコメントしている。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.