ITRが発行した調査リポートによると、BI関連製品の国内売り上げシェアはSAP、オラクルの順であった。データ分析に関わるツールの選定基準の上位では、多様な分析機能を挙げるユーザーが多いことが分かった。
独立系のIT調査・コンサルティングを行っているアイ・ティ・アール(ITR)は、2014年6月17日、調査リポート『ITR Cross View:DBMS/BI市場2014』を発行した。同リポートは、従来同社が発行してきたベンダーリポートの情報に加え、ユーザー調査の内容を統合したもの。
調査対象は、DBMS、DBMSアプライアンス、データ分析/リポーティング、DWH(データウェアハウス)用DBMS、データマイニング、テキストマイニング、ETL/データクレンジング、帳票作成運用の8分野。
ベンダー調査は2013年11月〜2014年1月にITRが実施したもの。ユーザー調査は2014年2月にITRが独自にインターネット調査したもので、回答者は従業員100人以上の国内企業の情報システム部門に所属し、データ管理またはデータ分析関連製品の導入に関わる個人である(有効回答数:396)。
同社プレスリリースで公開されている調査結果の抜粋によると、データ分析およびリポーティング市場におけるベンダーポジショニングは下図の通り。図は、ITRが保有する売上金額シェア情報とユーザー企業への調査データを組み合わせたマトリクスである。ここでの「ユーザー期待値指数」は、同社ユーザーアンケートにおいて、「今後利用したい」が「利用中」ではないユーザーの数による。
ERPパッケージ分野で売り上げシェアの高いSAPが、データ分析/リポーティング市場でも高いシェアを示している。SAPはSAP BusinessObjects BIなどの製品を持つ。Oracle Business Intelligence製品群を持つオラクルは、ユーザー期待値、シェアともに高い位置にいる。帳票分野で高い実績を持つウイングアークへのユーザー期待指数も高い。
一方で、別の指標を基にした、ガートナーによる調査「Magic Quadrant for Business Intelligence and Analytics Platforms」で「リーダー」に位置付けられているTableau Softwareや、QlikViewを提供するクリックテックなどの新興ベンダーは、売り上げ実績の面ではまだ「ニッチ」の領域に留まっていることが明らかになった。
今後の製品選定基準に関する調査結果は下図の通りだ。
価格が筆頭となっているが、性能、操作性に加えて、分析手法についても重要な関心項目となっていることが分かる。一方でクラウド提供やモバイル対応、Hadoop環境との連携についてはややポイントが低くなっている。
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