ミラクル・リナックスは2014年7月4日、オープンソースの運用統合ソフトウェア「Hatohol」を拡張し、クラウド基盤ソフトウェア「OpenStack」と連携した「統合運用管理ソリューション」の実現に向け、開発を進めていく方針を明らかにした。
ミラクル・リナックスは2014年7月4日、オープンソースの運用統合ソフトウェア「Hatohol」の機能を、クラウド環境向けに拡張していく方針を明らかにした。具体的には、クラウド基盤ソフトウェア「OpenStack」と連携した「統合運用管理ソリューション」の実現に向け、開発を進めていくという。
Hatoholは、ZabbixやNagiosといった複数の運用監視システムの情報を集約し、一元的に把握できるようにするソフトウェアだ。ミラクル・リナックスが開発したものを、GPLv2ライセンスでオープンソースソフトウェアとして公開している。
これまでHatoholは、監視システムの「統合ビューワ」という位置付けだった。だが先に、経済産業省の「平成26年度中小企業等のクラウド利用による革新的省エネ化実証支援事業クラウド基盤ソフトウェア導入実証」の交付先として、Hatoholを活用したクラウド統合運用管理ソリューションの開発構想が採択されたことを受け、開発体制を強化。オンプレミスのサーバー監視だけでなく、OpenStackによるクラウド環境も含めた運用管理ツールへと進化させていく方針だ。
2014年6月30日にリリースしたバージョン14.06では、プラグインなど、OpenStack連携の第一歩となる機能が搭載された。今後もその開発を進め、OpenStack上のハイパーバイザーが管理している仮想マシンのリソース情報の収集やログ管理機能などを追加する予定だ。最終的には、OpenStack上で新たな仮想マシンが立ち上がると、それに連動してHatoholのエージェントがインストールされ、自動的に監視を開始するといったレベルにまで連携を高めていく計画という。同時にこの取り組みについて、2014年11月にフランスで開催される「OpenStack Summit」やオープンソースカンファレンスで紹介していくという。
ミラクル・リナックスは同時に、Redmineによるインシデント管理やfluentdによるログ管理など、他のオープンソースソフトウェアとの連携も進めていく予定だ。最終的には、オープンソースソフトウェアによって運用管理のプロセス全体をカバーすることを目標にしている。
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