日本オラクルはデータベース管理製品「Oracle Enterprise Manager 12c Release 4」の国内提供を開始した。DBaaS環境の提供やスナップショットデータの一元収集などが盛り込まれている。
2014年7月15日、日本オラクルはデータベース管理製品「Oracle Enterprise Manager 12c Release 4」の国内提供を開始した。
今回のリリースにおける目玉機能は「Automatic Workload Repository(AWR) Warehouse」だ。
AWRは、従来提供されてきた機能。いままでは、各データベースインスタンスごとに、メモリ上の性能統計情報についてのスナップショットを取得していたが、取得スナップショット総数が増えるとデータベースそのものの性能に影響を与える可能性があるため、最大でも8日間しか保持できなかった。
AWR Warehouseでは、これらのスナップショットデータを別のリポジトリを用意して一元管理することで、長期的に保管できるようにしている。これにより、問題発生時の事後的な対応ではなく、定常的に状態監視ができるようになる。また、個別のデータベースごとではなく、複数のデータベースの状態を単一のリポジトリ上で集約できることから運用管理面でも有効であるとしている。
「オラクルのデータベース製品は行ロック機能に代表されるように、テーブル単位ではなく行単位で管理できる特徴がある。表単位ではなく行単位の細かな粒度で長期的にログデータを収集できることの意義は大きい」(日本オラクル データベース事業統括 製品戦略統括本部長 山本恭典氏)
もちろん、データベースに関わらない例えばJavaアプリケーション固有の問題などについては収集できないが、SQLクエリに関わるアプリケーションパフォーマンスの問題に対しても一定程度、有効な情報を得られるとしている。
また、データベースそのものも、セルフサービスでセットアップできる「カタログ」による構築が可能になったことで、企業内DBaaSの迅速な展開を実現するとしている。
セキュリティ機能としては、管理対象にあるデータベースに含まれている機密性の高いデータを体系的に発見し、保護するための「エンタープライズ・データ・ガバナンス」機能が追加されている。監査テンプレートにはPCI DSS、STIGも含まれている。
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