オラクルのSQL on Hadoopが、SmartScanなどを盛り込んだ「Oracle Big Data Appliance」のオプションとして登場する。エンタープライズ向けDBアプライアンスの延長として運用・管理できる点が強みになるようだ。
2014年9月1日、日本オラクルは「Oracle Big Data Appliance」のオプション「Big Data SQL」を発表した。他のSQL on Hadoop実装と同様、Oracle Databaseアプリケーション側に変更を加えずに、HDFSで格納された大量データに問い合わせを実行できるという。価格は未定、9月中の出荷開始を予定している。
Big Data SQLオプションは、Exadata向けのSQLクエリをそのままDBサーバー側が解析し、必要に応じてHDFSにデータを問い合わせるアーキテクチャを採用していること、Exadata製品の特徴であるストレージエンジン側での「SmartScan」機能実装による応答速度高速化の仕組みを持つこと、Oracle Databaseと同様のデータベースセキュリティをHDFS側にも適用できる点が特徴。
SmartScanは、クエリに対してストレージエンジン側の並列処理で一定のデータ処理を行い、最小減のデータ量のみを返す、オラクル独自の実装。CPUやメモリ、ストレージ間の通信帯域削減が期待できる。
「競合製品のSQL on Hadoop実装の多くは“フェデレーション型”であり、HDFSで格納されているデータに対してRDBMSが持つセキュリティポリシーは適用されない。一方のBig Data SQLは“データベース統合型”。処理や操作のコントロールはRDBMS側が受け持てる」(日本オラクル 専務執行役員 データベース事業統括 三澤智光氏)
同社では、POSなど顧客購買行動に関わる情報、機器の稼働に関わる情報など、一定のセキュリティ対策が求められる大量データも同製品の適用範囲と想定している。
なお、Big Data SQLを利用するには「Oracle Exadata」「Oracle Database 12c」とOracle Big Data Applianceが必要。また、Big Data SQLに含まれるHadoop環境はCloudera(クラウデラ)のHadoopディストリビューションをベースにしているという。
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