個人データのプライバシー保護しつつ、安全にBYODを実現する——デル・ソニックウォールのSSL-VPN製品に新たな機能を追加したOSがリリースされた。
デル・ソフトウェアは2014年10月9日、同社の「SonicWALL E-Class Secure Remote Access」(SRA)シリーズのOS「Dell Secure Mobile Access 11.1.0」の提供開始を発表した。新バージョンのOSにより、新たにCAPTCHA機能の追加やHTML5によるリモートデスクトップ(RDP)アクセス、および「Per-App VPN」に対応する。
SRAはデルが提供する「Enterprise Mobility Management」ソリューションの一部で、社内リソースへのセキュアなアクセスを実現するためのSSL-VPN製品だ。デル・ソフトウェア リージョナルセールスディレクターの藤岡健氏は、1日8時間の労働時間のうち、20%以上の業務をリモートで行うテレワーカーの数は、日本の労働人口の21.2%であること、2012年度時点で日本には1400万人弱のテレワーカーが存在し、今後も増えていくとするIDC Japanの調査資料を示した。
新たにリリースされたDell Secure Mobile Access 11.1.0は、新機能としてCAPTCHA機能の搭載、iOSやAndroidなどモバイルプラットフォームのHTML5対応ブラウザからWindows/Citrix用のリモートデスクトップアクセスを行う機能の追加、またアップルがiOS7から提供しているPer-App VPNへの対応が含まれる。
Per-App VPNは、iOSのモバイルアプリケーション単位でVPNアクセスを許可させることができるもの。アプリケーションの変更やSDKを使用することなく、アプリケーションのシグネチャを基に正当性を確認し、端末、ユーザーを認証する。これにより、従業員の個人デバイスをBYODで利用する際にも、個人デバイスのプライバシーを守りつつ、脅威を阻止しモバイルワーカーの生産性を向上できるとしている。
社内の重要なデータに対しては、SSL-VPNを使って社内リソースにアクセスできるデルの提供するアプリ「Mobile Connect」を利用する(AppStore/Google Play/Amazonアプリストア/Windowsストアから入手可能)。
米デル・ソニックウォール プロダクトマネージメントコンサルタント マシュー・ディークマン氏は、「BYODの課題としては、個人とビジネスとのデータを分けること、企業データの損失がないようにすること、マルウェアの攻撃から身を守ること、個人データのプライバシーを保護することなどが挙げられる。これらにどう対応するかを常に考えて製品を作っている」と述べた。
SRA 11.1.0の対象となる製品は「E-Class SRA EX6000」「同EX7000」「同EX9000」および「SRA Virtual Appliance」。
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