Amazon Web Servicesは10月23日(中央ヨーロッパ時間)に、独フランクフルトに新リージョンを開設したと発表した、AWSシニアバイスプレジデントのアンディ・ジャシー氏は、説明の大部分をセキュリティ関連に費やし、米国政府の介入に関する質問にも答えた。
Amazon Web Servicesは10月23日(中央ヨーロッパ時間)に、独フランクフルトに新リージョンを開設したと発表した、これは同社にとって11番目のリージョン。EU内ではアイルランドに続き2つ目となる。発表のWebキャストで、AWSシニアバイスプレジデントのアンディ・ジャシー(Andy Jassy)氏は、欧州におけるデータプライバシーへの懸念に応えるべく、説明の大部分をセキュリティ関連に費やした。
ジャシー氏は、冒頭に、フランクフルト・リージョンは「最初から複数のアベイラビリティゾーンを持つ」と説明。ドイツ国内からデータを出すことなく、可用性の高いアプリケーション/データ運用が可能ということを言外に訴えた。
フランクフルト・リージョン開設の第1の理由として挙げたのは、「ドイツにおける数千の顧客が、これまで主にアイルランドリージョンを使ってきた。だが、こうした顧客から他のワークロードもAWSに動かしたいが、ドイツにデータセンターがないと移せないという要望を受けている」という点。また、多数の大規模な欧州顧客から、EU内で複数のリージョンにまたがるアプリケーション構築を行いたいと言われていると話した。第3の理由は、「欧州での成長が大きく、これをバランスするため第2のリージョンが必要だった」。フランクフルトは、欧州主要都市とのネットワーク接続に優れていることから選んだと説明した。
欧州で特に関心の高い、セキュリティおよびデータプライバシーの問題に関しては、アイデンティティ管理(IAM)、CloudTrail、データ暗号化などの機能を説明。「欧州における全てのデータプライバシー法規に準拠している」と述べた。
「もし米国政府が私の会社のデータにアクセスしたいと考えたら、どうなるのか」という質問に対し、ジャシー氏は次のように答えた。
「データを暗号化し、キーを持てば問題にならない。また、当社は米国政府であろうと、他の国の政府であろうと、裁判所命令など法的拘束力のある要請でなければ取り合わない。法的拘束力のある要請については、まずそれが正確か、行き過ぎていないかを確認、行き過ぎだと判断したものに対しては強硬に抗議する。法的拘束力があり、行き過ぎてもいないと判断した場合、法が許すならば顧客に通知し、顧客が抗弁できるようにする。このトピックは議論としては非常に面白いが、現実には、当社の顧客に影響はない。顧客はデータを暗号化できるし、現在のどの顧客に聞いてもらってもいいが、当社のプラットフォームを使う顧客がこうしたことに巻き込まれた例はない」。
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