米グーグルは7月16日(米国時間)、OpenStack Foundationにスポンサーとして参加した。コンテナレベルでのハイブリッドクラウド運用をやりやすくする環境の強化が、グーグルの目標だ。
OpenStack Foundationは2015年7月16日(米国時間)、米グーグルが同ファウンデーションの「コーポレートスポンサー」として参加したことを発表した。グーグルは当面、コンテナオーケストレーションのオープンソースプロジェクトKubernetesに関連するプロジェクトへの協力に力を入れる。
Googleはこれまでも、OpenStackのコンテナ関連プロジェクトに協力してきたが、スポンサーとしての参加により、さらにその活動を強化する。「プラチナメンバー」や「ゴールドメンバー」と異なり、コーポレートスポンサーは、OpenStack Foundationの活動自体に大きな影響を与えるものではない。だが、OpenStackプロジェクトにとっては、OpenStackをコンテナ/クラウドネイティブ・アプリケーション運用基盤として確立するために、グーグルからの直接的な貢献を得やすくなることが期待できる。
今回の発表に関連し、米グーグルでコンテナ/クラスタ関連の次世代クラウドコンピューティングプロダクトに関するプロダクトマネージャーを務めるクレイグ・マクラッキー(Craig McLuckie)氏は、ハイブリッドクラウドおよびコンテナが、「エンタープライズコンピューティングの未来に向けた2つの重要なトレンドとして浮上しつつある」とブログポストで説明した。
特にハイブリッドクラウドに関しては、「パブリッククラウドに自社インフラの全てを移行できる企業は非常に少数だ。ほとんどの企業にとっては、ハイブリッドな運用が基準となる。OpenStackは、こうした運用におけるオンプレミス側の要素としての標準となりつつある」と述べている。
「OpenStack Foundationと力を合わせることにより、企業開発者のツールとして、コンテナネイティブなパターンを提供し、併せてパブリッククラウドとプライベートクラウドの相互運用性を向上したい。今後数カ月にわたり、私たちはコミュニティとともに、より強固なハイブリッドクラウドを作り上げるため、Kubernetesおよび補完的なコンテナ技術の統合を進める」
この表現からは、例えばGoogle Cloud Platformの仮想インスタンスレベルでのAPIを、何らかの形でOpenStackとそろえるといった意図は読み取れない。あくまでもコンテナのレベルで、パブリッククラウドとプライベートクラウドにまたがったアプリケーションの開発・検証・運用をやりやすくしていく活動に注力するということのようだ。
OpenStackには、コンテナのオーケストレーションを、OpenStackのコンピュートインスタンスの運用と統合するMagnumプロジェクト、およびアプリケーションカタログを通じ、クラウドネイティブなアプリケーションコンポーネント群のライフサイクル管理を提供するMuranoプロジェクトがある。Magnumプロジェクトでは、OpenStackと統合されたマルチテナントのコンテナ運用環境を実現する点がポイント。すでにKubernetesおよびDocker Swarmと連携している。グーグルは当面、特にMagnumプロジェクトへの協力を強化していくようだ。
OpenStack FoundationのCOOであるマーク・コリアー(Mark Collier)氏は、同ファウンデーションのブログポストで、「グーグルほど、大規模なクラウドネイティブアプリの運用を理解している企業は少ない。グーグルの開発者が、Magnumのようなプロジェクトへの貢献を進めることで、大きなことが期待できる」と書いている。
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