米グーグルは2015年7月23日(米国時間)、クラウドアーカイブ/バックアップサービスである「Google Cloud Storage Nearline」の一般提供を開始した。これに伴い、最大100PBのデータ保存を無償とするキャンペーンを開始した。
米グーグルは2015年7月23日(米国時間)、クラウドアーカイブ/バックアップサービスである「Google Cloud Storage Nearline」の一般提供を開始した。これに合わせ、6カ月にわたり、同アーカイブサービスにおける最大100PBのデータ保存を無償とする販売促進策を発表した。
Google Cloud Storage Nearlineは、データのバックアップ/アーカイブを提供するサービス。一般的なアプリケーション用の一次ストレージとして使えるものではない。
だが、例えばAmazon Glacierがデータの取り出しを開始できるまでに2.5時間などを必要とするのに対し、Google Cloud Storage Nearlineでは、レイテンシ(遅延)3秒以内でデータにアクセスできるという。このため、例えば企業の社内にクラウドストレージゲートウエイを設置して、同サービスとつなげば、バックアップというよりも、社内ファイルサーバー容量が拡張されたかのような感覚で利用できる。災害時のデータ復旧に関しても、タイムラグなしに作業に取り掛かれるメリットがあると、グーグルは訴えている。
Google Cloud Storage Nearlineの本記事執筆時点での料金は、保存量1GB当たり0.01ドル/月。他にデータの取り出し量1GB当たり0.01ドルおよびデータ転送料が掛かる。データの取り出しは、通常1TB当たり4MB/秒の転送速度で実行できるが、On-demand I/Oというオプションも提供。ユーザーは必要なときだけ追加料金を支払うことで、データ転送速度を上げられる。ちなみにアップタイムは99%となっている。
Google Cloud Storage Nearlineの一般提供開始に伴い、米グーグルは「Switch and Save」プログラムを開始した。
同プログラムでは、初めてGoogle Cloud Platformを利用する顧客で、他のクラウドサービスあるいはオンプレミスのインフラ製品からGoogle Cloud Storage Nearlineに移行する場合、最大6カ月にわたってデータ保存料金が無料になる。条件として、サインアップから3カ月以内に、1PBのデータ移行をコミットすること、3カ月後以降12カ月まで、最低1PBの保存容量を維持することなどが挙げられている。
米グーグル プロダクトマネージャーのアヴタンンディル・ガラカニゼ(Avtandil Garakanidze)氏は、Google Cloud Storage Nearlineの一般提供開始についてのブログポストで、Amazon Web Services(AWS)からのデータ移行を意識していることを匂わせ、「AWSに対するGoogle Cloud StorageのTCO節約度を計算できるTCO計算ツールを提供した」と述べている。
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