クラウディアンの広域分散ストレージ、DESTCloudプロジェクトの評価検証製品に選定

広域分散ストレージ「CLOUDIAN HyperStore」が、DESTCloudプロジェクトの評価検証製品に選定された。

» 2015年10月09日 10時00分 公開
[岩城俊介@IT]
photo DESTCloudプロジェクトは大阪大学、金沢大学、京都大学、高知工科大学、国立情報学研究所、東北大学、奈良先端科学技術大学院大学、広島大学、カリフォルニア州立大学サンディエゴ校などの11拠点で相互接続し、検証する

 クラウディアンは2015年10月9日、同社の広域分散ストレージソフトウエア「CLOUDIAN HyperStore」がDESTCloud(Disaster Emulation Simulation Testbed for distributed systems such as Cloud computing environment)プロジェクトにおける広域分散システムの耐災害性・耐障害性を検証するための商用製品に選択されたと告知した。

 DESTCloudは、2014〜2015年度の総務省「戦略的情報通信研究開発推進事業」(SCOPE)の支援を受け、日米の大学などが持つ11拠点のデータセンターをネットワークで相互接続し、広域分散システムの耐災害性や耐衝撃性を評価し、SDDE(Software Defined Disaster Emulation)プラットフォームの開発を目指すプロジェクト。大阪大学が主幹し、2015年10月から2016年3月まで実施する。

 地震や津波災害は、同時多発的なネットワーク障害が想定される。DESTCloudでは「JGN-X(新世代通信網テストベッド)」上に広域分散ネットワークを構成し、疑似的にランダムなネットワーク障害を発生させて広域分散システムが複数のデータセンターに複製保存するデータへの影響や障害復旧動作を評価する。この検証方法を広く公開し、標準化団体に提案することで、迅速な災害復旧対策につなげる計画という。

photo CLOUDIAN HyperStoreの特徴

 CLOUDIAN HyperStoreは、分散オブジェクトストレージソフトウェア。データセンターをまたぐ分散が可能で、Amazon Web Servicesが提供するクラウドストレージサービス「Amazon S3」互換のAPIを提供する。複数のデータセンター間でデータの整合性を常に保つ同期複製と、数秒後に同期する準同期複製の機能を選択してファイル単位での複製を行う機能により、秒単位での災害対策(DR)/事業継続(BC)対策を可能にすることを強みにする。

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