鍵にも財布にもなる指紋認証デバイス――DDS、独自のFIDOプラットフォームを発表「パスワードのない世界」を目指して

DDSは2015年10月27日、FIDOに準拠した指紋認証を実現するためのプラットフォーム「magatama」「magatamaアプリ」「magatamaサーバー」を発表した。

» 2015年10月27日 19時23分 公開
[@IT]
株式会社DDS 代表取締役社長 三吉野健滋氏

 DDSは2015年10月27日、パスワードレスの生体認証規格であるFIDO(Fast IDentity Online)に準拠した指紋認証を実現するためのプラットフォーム「magatama」「magatamaアプリ」「magatamaサーバー」を発表した。これらを組み合わせることにより、FIDOに対応していない既存のスマートフォンやWebサービスなどにおいても、FIDOベースの指紋認証を実現できるようになる。

 magatamaは、直径31.0ミリメートル、厚さ9.0ミリメートル、重量9.8グラム(電池込)のキーホルダー型のデバイス。端的にいえば、「BLE(Bluetooth Low Energy)とNFC(Near Field Communication)の通信機能を備えた指紋リーダー」だ。

 使用に当たっては、あらかじめスマートフォンなどの端末にmagatamaアプリと呼ばれる認証用のアプリケーションをインストールし、Bluetoothペアリングにより手元のmagatamaとの関連付けを行う。その後、magatama本体からアプリに指紋情報を登録することで、magatama本体とアプリのセットが、FIDO規格に準拠した指紋認証装置となる。なお、すでに指紋認証機能を持つスマートフォンの場合、magatamaアプリのインストールのみで端末をFIDO対応させることも可能だ。また、magatamaアプリは単一のアプリケーションを指すものではなく、magatamaでの認証に対応する各種サービスなどのアプリを想定している。

 オンラインでの認証には、magatamaサーバーと呼ばれるクラウド上の認証局サーバーを使用する。magatamaサーバーと既存のWebサービスなどとの間であらかじめID連携を設定しておくことで、magatamaアプリから送信される認証結果を、magatamaサーバー経由でWebサービスに連携し、FIDO非対応のWebサービスでもFIDOベースの認証が実現できるようになる仕組みだ。もちろん、すでにFIDO認証に対応しているWebサービスの場合、magatamaサーバーを経由する必要はない。

 また、magatamaには近距離通信(NFC)の機能も組み込まれている。これにより、例えばNFC非対応のスマートフォンであっても、アプリをインストールしmagatamaと組み合わせることで、モバイル決済サービスなどが利用できるようになる。あるいは鍵や身分証明証、チケットの代用品としてなど、さまざまな用途が想定される。

三吉野氏によるデモ。magatamaアプリにより認証済みのmagatamaを鍵穴にかざすことで、ロックが解除された

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