PCI DSSは、3年に1回の頻度で見直されます(Ver.2.0までは2年に1回)。従って、2004年12月の初版(Ver1.0)発行後、2006年9月にPCI DSS Ver1.1、2008年10月にPCI DSS Ver1.2と、マイナーチェンジされたバージョンが発行されました。その後は、3年に1回の見直しにより、2010年10月にPCI DSS Ver2.0が発行され、2013年10月にはPCI DSS Ver3.0が発行されています。
直近のマイナーチェンジは2015年4月に行われました。本稿を公開した2015年10月時点では、「PCI DSS Ver3.1」が最新バージョンです。
PCI DSSの改訂では、変更の種類を、「Clarification(明確化)」「Additional guidance(ガイダンスの追加)」「Evolving Requirement(要求内容の変更)」に分類しています。
Ver3.1の改訂では、Clarificationが、24件、Additional guidanceが4件、Evolving Requirementが4件と、改訂のほとんどが要件の目的の明確化でした。
Ver3.1における改訂箇所の一部を紹介します。例えば、Evolving Requirementに分類された4つの改訂は、全てがSSLプロトコルに関わる内容でした。
また、Clarificationでは、以下のような重要な変更がありました。
その他変更の詳細や、PCI DSS Ver3.1全文については、PCI SSCサイトから閲覧することができます。
なお、旧バージョンのPCI DSSに準拠している組織がこれから訪問審査を受審する場合は、PCI DSS Ver3.1の下で評価されることになります。ただし、2016年6月30日までは、「リスクの低減と移行計画」を作成することを条件に、移行のための猶予期間が設けられています。
株式会社アイテクノ 取締役副社長 上席コンサルタント
ビジネスコンサルティングに従事した後、ISO認証支援コンサルティング事業を立ち上げ、ISO9001、ISMS、プライバシーマークに関するコンサルティングに従事。
2006年から、ISOの認証機関であるBSI(英国規格協会)の日本法人に教育事業本部長として入社、各種マネジメントシステム規格の普及活動、各種研修・セミナーに関する開発、講演、執筆活動に従事。
2011年より、株式会社アイテクノのコンサルティング事業本部長として情報セキュリティ対策や個人情報保護対策コンサルティング、ISMSをはじめとするISOマネジメントシステム規格の認証支援コンサルティング、講演、企業内研修講師、執筆活動に従事している。
「図解入門ビジネス 最新 ISO27001:2013の仕組みがよ〜くわかる本(秀和システム)」など、情報セキュリティ、個人情報保護などの著書は20冊を超える。
本記事に関するお問い合わせ:kazuo.uchikawa@itecno.co.jp
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.