Dockerのlibcontainerに基づき、コンテナの形式およびランタイムの標準化を進める目的で設立されたプロジェクトであるOpen Container Initiativeの、ガバナンスモデルが明らかになった。2015年12月8日(米国時間)、Linux Foundationが発表した。
Dockerのlibcontainerに基づき、コンテナの形式およびランタイムの標準化を進めるプロジェクトであるOpen Container Initiativeの、ガバナンスモデルが明らかになった。2015年12月8日(米国時間)、Linux Foundationが発表した。
Open Container Initiative(OCI)は、2015年6月に「Open Container Project(OCP)」として設立された。ファイスブックが主導するOpen Compute Project(OCP)と略称が同一であり、正式名称も紛らわしかったが、設立後すぐに現在の名称に変わった。
Linux Foundationの発表では、新たに9社がメンバーとして加入したという。これにより、参加しているのはAmazon Web Services、Apcera、Apprenda、AT&T、ClusterHQ、シスコシステムズ、CoreOS、Datera、デル、Docker、EMC、富士通、ゴールドマンサックス、グーグル、ヒューレット・パッカード・エンタープライズ、Huawei、IBM、Infoblox、インテル、Joyent、Kismatic、Kyup、Mesosphere、マイクロソフト、ミドクラ、Nutanix、Odin、オラクル、Pivotal、Polyverse、Portworx、Rancher Labs、レッドハット、Resin.io、Scalock、 Sysdig、SUSE、Twistlock、Twitter、Univa、Verizon Wireless、ヴイエムウェア、Weaveworksの43社となった。
発表されたガバナンスモデルは、かなりフラットでシンプルなものとなっている。OCIはLinux FoundationのCollaborative Projectとして、Linux Foundationの監督下で活動する。OCI自体は、Technical Developer Community(TDC)とTechnical Oversight Board(TOB)の二段構造になる。
TDCは、開発コミュニティとほぼ同義だ。OCI仕様の実装を進めることが根本目的で、どんな個人・団体も参加できるという。TDCに対する影響力の行使は、コードのコントリビューションを通じてのみ受け付けるという。OCIでは、複数のプロジェクトが進行中だが、こうしたプロジェクトの技術的方向性に影響を与える主な手段は、コードの提供か、プロジェクトのメンテナーとして活動するかのいずれかだという。
規約には、TDCの役割として、OCIプロジェクトのリリースの承認、ガバナンスガイドラインの作成・維持・遂行、プロジェクトにおけるOCIの知的財産権ポリシーへの準拠の監視などが列挙されているが、これらの活動を実行する主体として、委員会のような組織が設置されるという記述は見当たらない。当初、TDCはプロジェクト全体で一つだが、将来はTOBの判断で、一プロジェクト一TDC体制に移行する可能性もあるという。
一方、TOBは、技術的な監督を行う諮問委員会。規約に照らして、TDCでは解決できないプロジェクト間の衝突・齟齬の解決を含めたマネジメントを行う。新規プロジェクトの承認は、TOBの権限。
TOBは9人のメンバーで構成される。誰もがTOBメンバーに立候補できるという。団体の資金拠出額に応じて委員会の席が約束されるような仕組みはない。TOBメンバーは個人として選出され、代替はきかない。また、同じ団体に属するのは2人までという制限がある。議長はTOBメンバーによる選挙で選ばれる。
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