セールスフォース・ドットコムは企業向けPaaS基盤の「Heroku Enterprise」で2016年1月27日、3つの新機能を発表した。「これにより、Heroku Enterpriseは、開発者向けのツール提供だけでなく、企業レベルの制御基盤を提供」するという。
セールスフォース・ドットコムは「Heroku Enterprise」で、3つの新機能を発表した。「これにより、Heroku Enterpriseは、開発者向けのツール提供だけでなく、企業レベルの制御基盤を提供」するという。
HerokuはパブリックPaaSとして人気の高いサービス。2010年に米セールスフォースに買収された。その後セールスフォースはHerokuと同社サービスの統合を推進。特にHerokuを企業向けにしたHeroku Enterpriseでは、Salesforceとの自動連携が特色となっている。
新機能は次のとおり。
これは各テナントに対し、ネットワーク的に分離された専用のHerokuランタイムを提供する機能。アプリケーション実行環境やデータベース機能の利用におけるセキュリティを向上する。データサービスについても。各ユーザー組織が自身のプライベートスペース内で作成、運用できる。従ってアプリケーションとデータベースとの間のトラフィックはプライベートネットワーク内で完結する。一方で、Salesforceとの安全な通信が可能。
Heroku Private Spacesはマルチリージョン対応している。アプリケーションの応答速度やコンプライアンスの要件に応じ、オレゴン、バージニア、フランクフルト、そして東京から配備先を選択できる。特に、Heroku Entperiseが初めて東京で動かせるようになったことで、日本のユーザー組織にとっては、アプリケーションの応答速度が向上するメリットがあるという。
Heroku Enterpriseでは、SAML 2.0サポートによるシングルサインオン機能が、一般提供開始された。これにより、Active Directory、LDAP、Salesforceなどの認証を使ったHeroku Enterpriseへの自動ログインができる。「アプリケーションの開発・運用を担当する部門は、自社内の標準に合わせたアクセス管理ポリシーとHerokuのアクセス権限管理を統合することができ、一貫した情報資源の運用が可能になる」という。
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