米シスコが14億ドルで買収、JasperのIoTサービスプラットフォームとは汎用SIMを後で事業者SIMに遠隔設定

米シスコシステムズは2016年2月3日(米国時間)、IoTサービスプラットフォームのSaaSを展開する米Jasper Technologiesを買収すると発表した。Jasperのサービスは、世界中のモバイル通信事業者との連携で、モバイル通信を利用したIoTサービスのライフサイクルを管理するものだ。

» 2016年02月04日 13時13分 公開
[三木 泉@IT]

 米シスコシステムズは2016年2月3日(米国時間)、IoTサービスプラットフォームのSaaSを展開する米Jasper Technologiesを買収すると発表した。買収プロセスは、同社の会計年度で2016年第3四半期中、すなわち2016年4月下旬までに完了の予定という。買収総額は14億ドル。

 Jasperは「Jasper Control Center」というサービスを提供している。これは、世界中のモバイル通信事業者との連携で、モバイル通信を利用したIoTサービスのライフサイクルを管理するもの。27のモバイル通信事業者グループと提携し、100カ国以上にまたがるIoTサービスの展開に対応できるという。日本ではNTTドコモおよびソフトバンクとの提携を進めているようだ。Jasperはユーザー企業として、Garmin、GE、米アマゾン(Amazon Kindle)、スターバックスなどを挙げている。

 JasperのWebサイトによると、Jasper Control Centerは次のような機能を提供している。

  • 各端末あるいは端末グループ単位で、SIMの有効化・無効化・再有効化を遠隔制御できる。例えば自動車の場合、自動車の製造段階で汎用SIMを組み込み、販売時に販売国のモバイル通信事業者のSIMとして再設定できるという。SIM有効化に際しては、適切なレートプランおよびオプションサービスを適用できる
  • 全接続端末の接続状況およびパフォーマンスをリアルタイムで可視化できる。これに基づき、レートプランを端末単位で変更するなどの最適化が可能
  • ネットワークの状況と端末の振る舞いについての監視に基づき、トラブルシューティングが迅速化できる

 これらの機能を、ビジネスルールの設定により自動適用できる、とJasperは説明している。APIを通じ、既存ITシステムとの連携も可能。アプリケーションの利用量および料金とネットワークサービスの利用をひも付けて分析することで、IoTサービス提供者は、自らの利潤最大化への方策を積極的に打つことができるという。

 シスコは今後、企業Wi-Fiへの対応、接続端末のセキュリティ、端末利用管理のための分析機能などを通じ、Jasperのサービスを拡充していきたいとしている。

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