「ゾーン転送の仕組みについて教えてください」で紹介したゾーン転送の設定方法を、BINDを例にとって説明する。
BINDにおけるゾーン転送の設定方法を、図1の場合を例に説明する。ゾーン転送の仕組みについては、DNS Tips「ゾーン転送の仕組みについて教えてください」を参照いただきたい。
ゾーン転送元の設定ファイルには、ゾーン転送要求の受付を許可するallow-transferサブステートメントとゾーン更新通知を行うalso-notifyサブステートメントを設定する。NOTIFY(ゾーン更新通知)の送信の振る舞いはいくつか指定することができるが、ここでは特定の転送先のみNOTIFYを送信するexplicitでの設定方法を紹介する。
なお、基本的な設定に関しては「権威DNSサーバーにおける設定の基本を教えてください(BIND編)」を参照してほしい。
options {
directory “/var/named”;
recursion no;
pid-file “/var/run/named/named.pid”;
allow-transfer {none;}; //全体設定としてゾーン転送は拒否する
};
zone “example.jp” {
type master; //プライマリーサーバであることを設定する
file “example.jp.zone”;
notify explicit; //特定の宛先のみNOTIFYを送信する
also-notify { サーバBのIPアドレス; }; //NOTIFY送信先アドレスを指定する
allow-transfer { サーバBのIPアドレス; }; //ゾーン転送先アドレスを指定する
};
options {
directory “/var/named”;
recursion no;
pid-file “/var/run/named/named.pid”;
notify no; //サーバBからはNOTIFYは送信しない
allow-transfer {none;}; //ゾーン転送の拒否を指定する
};
zone “example.jp” {
type slave; //セカンダリーサーバであることを設定する
file “example.jp.zone”;
masters { サーバAのIPアドレス; }; //ゾーン転送元アドレスを指定する
};
一般的なケースでは、プライマリーサーバとセカンダリーサーバの間でゾーン転送設定を行うことがほとんどであるが、セカンダリーサーバ間でもゾーン転送設定を行うことも可能である。いずれの場合であっても、ゾーンの転送元サーバでは、allow-transferサブステートメントでゾーン転送を許可するサーバのアドレスを設定し、ゾーン転送先を限定することがセキュリティの面で重要である。
また、ゾーン転送では、そのゾーンのSOAシリアル値に基づいて更新するかどうかを判定している。そのため、ゾーン情報を更新する場合には、SOAシリアル値を更新することも忘れてはならない。
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