米フェイスブック、NVMe SSDを最大60基搭載できる装置「Lightning」の設計を公開Open Compute Summit 2016

米フェイスブックは2016年3月9日(米国時間)、同社が主導するOpen Compute Projectが開催の「Open Compute Summit 2016」を機に、多数のNVMe SSDを2Uサイズのシャーシに搭載し、外部接続された複数のサーバから利用できる装置の仕様を公開した。同社はこれを「Lightning」と名付けている。

» 2016年03月10日 08時30分 公開
[三木 泉@IT]

 米フェイスブックは2016年3月9日(米国時間)、同社が主導するOpen Compute Project(以下OCP)が開催の「Open Compute Summit 2016」を機に、多数のNVMe SSDを2Uサイズのシャーシに搭載し、外部接続された複数のサーバから利用できる装置の仕様を公開した。同社はこれを「Lightning」と名付けている。

 Lightningをフェイスブックは、「私たちにとって、NVMe JBOF(Just a Bunch of Flash)の最初の設計となる」と形容している。「JBOF」と言っているのは、多数のHDDを単一のシャーシに搭載して、ケーブル接続されたサーバから利用する「JBOD(Just a Bunch of Disks)」と同じ形態の装置だからだ。設計思想としても、JBODと同様、容易に運用できることを目指しているという。

 実際、Lightningは既にOCPで仕様が提供されているJBOD(「Open Vault(Knox)」と命名されている)のシャーシを流用する形となっている。OpenVaultは2Uサイズで、15のHDDを搭載できるトレイが2枚の構成になっているため、装置全体としては30基のHDDを搭載可能。これをそのまま使えばLightiningでも、2Uサイズで最大30基のSSDを搭載できることになる。ただしLightningでは接続を分岐させることで、最大60基のSSDを搭載できるようになっているという(後述)。

Lightningの概要

 LightingはPCIe拡張ボード(PEB)とPCIeドライブプレーンボード(PDPB)で構成されている。PEBは各トレイに1枚で合計2枚搭載される。各PEBはPCIeスイッチを搭載、外部接続のサーバ用にPCIe接続を最大32レーン、SSDに対してはPCIe接続を最大60レーン供給する。PEBはホットスワップ可能でなければならないとされる。PDPBは各SSDスロットに4レーンのPCIe接続を供給する。各スロットは2レーン×2に分岐でき、これによって1トレイごとに30基、装置合計で60基を搭載できるようにしている。

 ヘッドノードとしてLightningと接続するサーバにはPCIe Gen3(16レーン)のリタイマーカードを装着、Lightningとの間はmini-SAS HDケーブルで接続する。

 フェイスブックではLightningの設計のポイントとして、以下を挙げている。

  • 3.5インチ、2.5インチ、m.2など複数のSSD形状に対応
  • 従来のPCIeホットプラグとは異なり、完全な活線挿抜を実現
  • 搭載SSDの数、接続ヘッドノード数についての柔軟性を確保
  • 構成の柔軟性を確保するためにヘッドノードとは外部接続しているが、既存のPCIeケーブルは使いにくいため、mini-SAS HDケーブルを使用
  • 各SSDスロットの消費電力は14Wに制限
  • 装置の管理では、PCIeにおける仕組みが整っていないため、現時点ではBMCを採用

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