Windows Serverの主要な機能を利用するには、サーバライセンスに加えて、クライアントアクセスライセンス(CAL)が必要です。このサーバライセンスに関して、Windows Server 2016では大きな変更があります。
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Windows Server 2016のサーバライセンスは、Windows Server 2012/2012 R2の「プロセッサライセンス」ではなく、「コアライセンス」で提供されます。2015年12月以降、多くのメディアでニュースになったので、既にご存じの方も多いでしょう。
しかし、Windows Server 2016におけるライセンスモデルの変更は、ライセンスの購入単位がプロセッサ単位からコア単位へと変更になるという単純なものではありません。現行のWindows Server 2012/2012 R2のライセンスと比較しながら説明します。なお、コアライセンスへの変更はSystem Center 2016にも導入されますが、今回はWindows Server 2016についてのみ説明します。
Windows Server 2012/2012 R2のサーバライセンスは、物理サーバに搭載されている物理プロセッサ(ソケット)数をベースに、必要な数のライセンスを購入します。1つのプロセッサライセンスで、2つの物理プロセッサまで利用できます。プロセッサのコア数は関係ありません。マルチコアのプロセッサであっても、1つのプロセッサとしてカウントします。
Windows Server 2012/2012 R2にはDatacenterとStandardの2つのエディションがあり、これらのエディションに機能差はありません(Essentialsなど機能差のある別のエディションについては今回は言及しません)。これらのエディションの違いは、サーバライセンスで許可される「OSE(Operating System Environment)」の数の違いだけです。
Datacenterエディションは、無制限のOSEを実行できます。Standardエディションは、1ライセンス当たり最大2つのOSEを実行できます。また、物理サーバを仮想OSE(仮想化インスタンス)のホストとして、仮想OSEの管理のみを目的として使用する場合に限り、1ライセンスを取得した物理サーバ上で最大2つの仮想OSEを実行できます。
以上をまとめると、次のようになります。
現行バージョンのライセンスについてさらに詳しく知りたい場合は、以下のドキュメントを参照してください。
Windows Server 2016のコアライセンスは、「2コアパック」の単位で購入します。必要なライセンス数は、物理サーバに搭載されるプロセッサの数ではなく、物理サーバで利用可能な「物理コア数」に基づいて決まります。インテルのプロセッサに搭載されている「ハイパースレッディング」などのテクノロジーによるスレッド数は考慮しません。
物理サーバ上の全ての物理コアは、コアライセンスでカバーされている必要があります。ただし、プロセッサごとに最小8コアぶんのライセンスが必要です。また、サーバごとに最小16コアぶんのライセンスを購入する必要もあります。例えば、4コアプロセッサ1基を搭載するサーバと、4コアプロセッサ2基を搭載するサーバにはどちらも、16コアぶんのコアライセンスを購入する必要があります。
以上をまとめると、次のようになります。OSEの数については後述します。
文字で説明するだけでは理解しにくいと思いますので、2〜16コアのプロセッサ1〜4基の全ての組み合わせで購入する必要があるコアライセンスの数(2コアパックライセンスの購入数)を以下の表1にまとめました。
網掛け(グレー)の部分は、実際の物理コア数よりも多くのコアライセンスを購入する必要がある組み合わせです。その理由は、プロセッサごとに最小8コアライセンス、物理サーバごとに最小16コアライセンスという条件が適用されるからです。
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