インターネットイニシアティブ(IIJ)は2016年3月29日、「IIJ IDサービス」を同日に提供開始したと発表した。複数のクラウドサービスに対するアクセス用のユーザーID管理および認証を一括して行うため、ユーザーはシングルサインオンができる。
インターネットイニシアティブ(IIJ)は2016年3月29日、クラウドサービスの利用におけるID管理および認証を統合する「IIJ IDサービス」を同日に提供開始したと発表した。
これは企業・組織に向けて提供される「IDaaS(Identity as a Service)」と呼ばれるサービスの一つ。複数のサービスに対するアクセス用のユーザーID管理および認証を一括して行う。このため、ユーザーはクラウドサービスごとにユーザーIDや認証情報を使い分ける必要がない。IIJ IDサービスにログインするだけで、シングルサインオンができる。当初、クラウドサービスとしてはOffice 365に対応する。
具体的にはユーザーがIIJ IDサービスのポータルにログインすると、そのユーザーアカウントに紐付けられたサービスのアイコンが一覧表示される。ここで利用したいサービスのアイコンを選ぶだけで、そのサービスにログインできる。
こうした方式のため、組織はクラウドサービスとのアカウント連携のために、新たにActive Directory(AD)を構築する必要がない。また、「ADへの登録が不要なユーザー(例えば、非正規社員や協力会社社員など)がOffice 365のアカウントを作成する場合にADと紐付ける必要がないため、ADライセンス費用を削減でき、セキュリティリスクも低減」できると、IIJは説明している。
IIJ IDサービスは、上記の基本サービス利用およびIIJの関連サービスへのシングルサインオンを含む基本サービスが、初期費用・月額料金ともに無料(2000ユーザーまで)。これにオプションとして、他社クラウドサービスへのアカウント連携料金がかかる。
IIJ IDサービスが当初から対応する他社サービスはOffice 365のみ。Office 365アカウント連携の料金は、初期費用が無料で、月額料金が1ID当たり150円となっている。IIJでは、これ以外のサービスにも、順次対応していくとしている。一方、IIJ IDサービスの基本サービスにおける同社サービスの対応については、今年の秋に、企業ネットワークに必要な機能を仮想化してクラウド上で提供する「IIJ Omnibus(オムニバス)サービス」、およびリモートアクセスサービス「IIJ GIOリモートアクセスサービス」への対応を予定しているという。
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