米SASがアナリティクスでSAS言語以外に対応、クラウド対応、API連携進めるマーケティング自動化、IoTも

米SAS Instituteは2016年4月19日(米国時間)、同社アナリティクス製品群の統合アーキテクチャ「SAS Viya(ヴァイア)」、マーケティング自動化の新製品「SAS Customer Intelligence 360」、IoTソリューション「SAS Analytics for IoT」を同時に発表した。Viyaでは、Python、Lua、Javaに対応する。

» 2016年04月20日 11時00分 公開
[三木 泉@IT]

 米SAS Instituteは2016年4月19日(米国時間)、同社アナリティクス製品群の統合アーキテクチャ「SAS Viya(ヴァイア)」、マーケティングオートメーションの新製品「SAS Customer Intelligence 360」、IoTアナリティクス・ソリューション「SAS Analytics for IoT」を同時に発表した。全てに通じるのは、アナリティクス製品のクラウド化、オープン性、統合性の3つのニーズへの対応。

 SAS Viyaは、同社におけるアナリティクス関連の既存製品および新製品を、「クラウド対応」の単一アーキテクチャ上で、一貫した、統合的な製品群として提供する取り組み。「クラウド対応」というのは、PaaS上で動作するアプリケーションを意味する。PaaS基盤としては、当初Cloud Foundryをサポートするという。アナリティクス製品群を社内データセンター、パブリッククラウドのどちらにも展開できることになる。

 オープン性に関しては、SAS言語以外のプログラミング言語への対応が大きな変化。まずPython、Lua、Javaをサポートするという。また、SASは新たにパブリックAPIサービスを提供する。これにより、アナリティクスの成果を、他のアプリケーションが柔軟に活用できるようにする。

 統合性については、この製品群でアナリティクスの全ライフサイクルをカバー、製品間の連携に要する作業を減らすとともに、一貫したインターフェースを提供するという。

 SAS Viyaは、2016年5月に下記の製品が少数の顧客に限定提供開始。2016年第3四半期にこれら製品が一般提供される。

 当初提供されるのは、既存製品ではデータ視覚化製品「SAS Visual Analytics」と、視覚的に予測モデルを設定できる「SAS Visual Statistics」。新製品では、保険金の不正請求検知などのための分析を支援する「SAS Visual Investigator」と、機械学習/データマイニングの作業を容易にする「SAS Visual Data Mining and Machine Learning」。

あらゆるチャネルにまたがるマーケティング自動化を目指す

 SAS Customer Intelligence 360は、SASがAmazon Web Services上で、クラウドサービス(SaaS)として提供するデジタルマーケティング自動化ソリューション。現在よく見られるマーケティングチャネル特化型のソリューションの欠点を克服することが最大の目的で、「あらゆるチャネルにまたがり、パーソナルな顧客とのやり取りを実現する」という。

 マーケティング担当者が、データサイエンティストなどの力を借りずに、顧客の行動を把握し、自動的な分析を適用し、各種アクションを適切な順序で実行するまでの、全サイクルをカバーする機能を備える。

 特徴は、データの取得および実行アクションを包括的にカバーしていること、各顧客レベルで、リアルタイムの対応を実現していることだという。データ取得については、電子メール、ソーシャルメディア、Webサイトにおける行動データなどをまとめて扱うことができる。外部とのAPI連携も豊富に備えるとしている。

 SAS Analytics for IoTは、Inrternet of Things(IoT)のためにSASの既存製品をパッケージ化したソリューション。製品としては、「SAS Visual Analytics」「SAS Visual Statistics」「SAS Event Stream Processing」、そして各種データソースへのコネクタが含まれているという。

[取材協力:SAS Institute]

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