このように、何よりもビジネス価値に結び付けるスピードを重視するオラクルのIoT&ビッグデータソリューションは、既に国内外の多くの企業に採用され、短期間で大きな成果を上げている。その一例が、ソフトバンクグループのPSソリューションズが2016年3月に立ち上げた「瀬戸内カレン」だ。
瀬戸内カレンは同社が瀬戸内海東部の豊島(香川県小豆郡土庄町)で展開する電動二輪車のレンタルサービスであり、同島を訪れた観光客は、これを利用して島内を自由に観光することができる。このサービスの早期立ち上げに、オラクルのIoT&ビッグデータソリューションが大きく貢献しているのだ。
瀬戸内カレンで貸し出される電動二輪車は、各車両の走行情報や位置情報、充電状況が逐次、インターネットを介してOracle IoT Cloud Service上に作られたシステムに送信/蓄積される。それらの情報(データ)はリアルタイムに加工/修正されたうえで、Oracle IoT Cloud Service上のサービス運営アプリケーションに表示される。瀬戸内カレンの運営スタッフは、このアプリケーションの画面で各車両の位置をモニタリングし、充電切れを起こしそうな車両をタイムリーに把握したり、現状の電池残量で走行可能な範囲をユーザーに伝えたりといった具合に、レンタルサービスの業務支援や利便性の向上につなげている。
この事例の大きな特徴は、車両側(デバイス)からサービス運営アプリケーションまでの全てを、わずか2週間で作り上げたことだ。この驚異的な早さの秘密を、杉氏は次のように明かす。
「全ての仕組みを2週間で作ることができた理由は、例えばデバイス/クラウド間の通信認証やデータ暗号化、デバイス側プログラムの管理など、IoT&ビッグデータの仕組みを作る際に必ず必要となる機能が事前に実装済みの状態で提供されるからです。つまり、それらの機能は自ら組み上げる必要はなく、利用するだけでよいのです。そのため、後は瀬戸内カレンのサービスに固有の部分(データの送信頻度や集計方法、画面表示など)の設計/開発に注力することにより、短期間で仕組みを実現し、サービスを立ち上げられたわけです」(杉氏)
まさにPaaS型のクラウドサービスとして提供されるIoT&ビッグデータソリューションのメリットが存分に発揮された事例だと言えよう。
同じく2週間でIoT&ビッグデータの仕組みを立ち上げた国内製造業のケースもある。同社が構築したのは海外など遠隔地の工場で稼働する生産設備の稼働状況をリモートで監視/管理するシステムだが、この事例で注目したいのは、わずかな期間で生産設備の制御ソフトウェアをリモートからアップデートする仕組み(遠隔ソフトウェア配布)まで実現したことだ。
「製造業では、IoT&ビッグデータを活用して運用管理を効率化する“スマートファクトリ”の導入を検討されるお客さまが増えています。このとき、特に遠隔地の工場設備を対象とする場合は、設備機器の出力データを現地で前処理することが求められます。この前処理では状況に応じて調整が必要になることがありますが、その度に現地に開発要員を派遣していたら多くの時間とコストがかかるでしょう。そうした前処理のプログラムをリモートでアップデート/アクティベートする仕組みがあれば、このサイクルを短縮化/効率化することができます。実際にスマートファクトリのアプローチを導入されたお客さまほど、この仕組みの利便性を強く実感されています」(杉氏)
オラクルのIoT&ビッグデータソリューションには、Javaによるデバイス制御やリモートアップデートの機能まで用意されているため、企業はそれらの仕組みを利用し、自社に固有の機能だけを作り込めばよいわけである。
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