「ORA-12012」は、自動実行ジョブが失敗した場合に発生するエラーです。発生した原因は、付随するエラーとともに確認します。例えば、「マテリアライズドビューの自動リフレッシュのジョブが失敗しているケース」が多く見られました。
マテリアライズドビューにはさまざまな制限があります。作成の際には「Oracle Databaseデータ・ウェアハウス・ガイド」のマニュアルを参照することをお勧めします。
「ORA-03136」は、新規接続時にSQLNET.INBOUND_CONNECT_TIMEOUTで指定した時間(デフォルトは60秒)以内にユーザー認証が完了できなかった場合にアラートログへ出力されます。
ORA-03136は主に以下の理由で発生します。
原因究明に至っている弊社の事例では、多くのケースが「データベースサーバの負荷が高く、時間がかかった場合」に該当していました。
しかし、データベースサーバの負荷情報を定期的に取得していなかった場合には原因の特定に至らず、「次回の再現時に備えて情報を取得」と究明が先送りとなるケースも少なくありません。ORA-04030の対策と同様に、日頃からデータベースサーバのリソースを監視する習慣を付け、エラー発生のタイミングや傾向を捉えておくことが重要です。
6〜10位は以下の通りでした。
順位 | エラー番号 | エラー内容 |
---|---|---|
6位 | ORA-04031 | 共有メモリーのstringバイトを割り当てできません |
7位 | ORA-29280 | 無効なディレクトリ・パスです |
8位 | ORA-03113 | 通信チャネルでend-of-fileが検出されました |
9位 | ORA-01555 | スナップショットが古すぎます |
10位 | ORA-16055 | FAL要求が拒否されました |
ORA-04031、ORA-29280、ORA-01555など、初期化パラメーターの設定に起因したエラーが多くを占めました。
長期運用を続けている環境では、データ量の増加や構成の変更などに伴って、運用開始時に設定したパラメーターが適切でない可能性もあります。例えば、AWR(Automatic Workload Repository:自動ワークロードリポジトリ)やOracle Statspackといったデータベースの稼働統計ツールを利用し、現在のパラメーターが適切かどうかの見直しを定期的に行うことをお勧めします。
お客さまからサポートセンターに頂いた問い合わせは、サポートエンジニアが調査をする際の貴重なナレッジとして蓄積されます。2016年も非常に多くのお客さまにサポートセンターをご利用いただきました。大変感謝しております。
2016年のDatabase Support Blog/Oracle Database関連情報は本稿で最後となりますが、今後もアシストではサポート事例やサポート対応で得た情報を積極的に公開することで、データベースを利用されている方に還元できればと思っております。
株式会社アシスト サービス事業部 サポートセンター所属。2007年にアシスト入社後、Oracle Databaseのサポート業務に従事。現在はサポート業務の傍ら、未解決のトラブルを一つでも多く減らせるよう、サポートセンターに蓄積されている調査のノウハウを社内外に伝える活動を行っている。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.