ネットワンがデータセンターソリューションでアリスタ、ヴイエムウェアと独自提携「反シスコではない」

ネットワンシステムズは2017年1月31日、米ヴイエムウェアおよび米アリスタネットワークスと提携し、データセンターおよびクラウドネットワーキングのソリューションパッケージを開発すると発表した。ネットワンの篠浦文彦氏によると、これはシスコシステムズの製品・ソリューションと対立するものではないという。

» 2017年01月31日 11時05分 公開
[三木泉@IT]

 ネットワンシステムズは2017年1月31日、米ヴイエムウェアおよび米アリスタネットワークスと提携し、データセンターおよびクラウドネットワーキングのソリューションパッケージを開発すると発表した。2017年4月の販売開始を目指す。ネットワン ビジネス推進本部 執行役員の篠浦文彦氏によると、これはシスコシステムズの製品・ソリューションと対立せず、逆に補完するものだという。

 具体的には、ヴイエムウェアと「VMware NSX」など、アリスタとはスイッチOSの「Arista EOS」およびネットワーク管理ソフトウェアの「CloudVision」についてライセンス契約を締結。これらを統合したレファレンスソリューションを開発する。

 また、ハードウェアを含めた導入の容易なパッケージを構築、これをネットワンパートナーズ経由で他社に販売する。新ソリューションでは、「VMware vSphere」を導入していない組織でも、VMware NSXによるSDN(Software Defined Networking)を活用できるという。

 アリスタのCloudVisionとは、アリスタが提供しているネットワーク管理ソフトウェア。クラウドオーケストレータ、SDNコントローラ、ファイアウォールなどのネットワークサービスとの統合もできる。CloudVisionでは、ベンダー混在環境で、物理ネットワークの集中的な運用自動化ができる。また、物理/仮想ネットワークを可視化する、いわゆるテレメトリ機能も搭載しているという。すなわち、CloudVisionを活用して、これをVMware NSXと連携させることで、データセンターのオーバーレイとアンダーレイを統合したネットワーク構築・運用ソリューションを構築できる。

 今回の取り組みでは、データセンターネットワーキング環境の容易な運用を実現する一方、ハイブリッドクラウド環境も視野に入れている。ネットワンが提供している「クラウドHUBサービス」との連携も図っていくという。

 ネットワンはVMware NSXに関して、売上実績、VCP認定取得者数(107名)、VCIX-NV資格取得者数(33名)の3点で、アジアで最大という。日本国内に限ると、NSXの売り上げは他社を大きく上回るとしている。同社は今回発表のネットワークソリューションパッケージで、NSXのさらなる拡販を目指す。

 一方でネットワンはシスコのネットワーク製品を多数販売してきた。この中にはデータセンタースイッチの「Cisco Nexusシリーズ」も含まれている。これとの関係については、「シスコがACIを掲げ、データセンターSDNにおいて他社との協業が進まないことを受け、こうした状況を補完する」のが、新ソリューションの目的の1つだとしている。

 篠浦氏によると、新ソリューションには、シスコのNexusスイッチを容易に組み込むことが可能。ネットワーク運用担当者は、Nexusスイッチの備えるさまざまな機能を活用し続けることができる。一方で、Nexusおよび他社スイッチの混在環境を、LANおよびWANにわたって物理・仮想の両レイヤで統合運用できる。新ソリューションにより、ネットワンはシスコ顧客にとってのネットワークインフラのロードマップを提供できるという。

 なお、新ソリューションはまず日本国内で提供するが、他のアジア諸国での展開も考えているという。

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