「E-R図」を理解する「データベーススペシャリスト試験」戦略的学習のススメ(5)(2/2 ページ)

» 2017年05月23日 05時00分 公開
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ロール

 あるエンティティがあるエンティティに対してどのような役割や立場であるかについて、ロールとして実線上に記述する場合があります。

Chance問題

演習4-4

 次のデータモデルにおいて、“受講”エンティティの属性として適切なものはどれか。ここで、長方形の間の線は関連を表し、1―*は1対多の多重度を表す。また、関連に付した“教師”と“受講生”はロールを表す。

演習4-4

ア 氏名   イ 成績   ウ 単位数   エ 入学年

(H20春DB午前問31)


解答 演習4-4 

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オプショナリティ

 多重度の表記ルールにはオプショナリティという概念が加わり、下図のように多重度に0を含むか含まないかを区別して表現します。

オプショナリティ
本試験過去問題による類題演習
□H16 午前問26 概念データモデル(図書予約)に関する記述
□H14 午前問26 概念データモデル(顧客・注文・商品)に関する記述
□H23 午前II問1 概念データモデル(社員と入社年度)に関する多重度

連関エンティティ

 概念設計の目的は、業務上のイベントや資源を抽出・正規化することで、その関係をできる限りシンプルにわかり易く表現することです。多対多の関連は非正規形となり、論理モデル上好ましくないため、エンティティ間に連関エンティティを一つ設け、多対多を排除します。

連関エンティティ
本試験過去問題による類題演習
H25 午前II問3 二つのエンティティ間に多対多の対応が生じた場合の方策
H23 午前II問3 正しい概念データモデル(健康診断の検査項目・検査値)の選択

自己参照のリレーションシップ

 主キーを、同じテーブルの他の属性の外部キーとして設定したことにより、自己参照(あるエンティティの属性が同じエンティティを参照している)となるケースも出題されます。

自己参照のリレーションシップ
本試験過去問題による類題演習
□H18 午前問16 再帰的なE-R 図の解釈

複数のリレーションシップ

 あるエンティティから特定のエンティティに複数の外部キーを持つ場合、E-R図には外部キーの数だけリレーションシップを記述します。

複数のリレーションシップ

弱実体と強実体

 エンティティには次のように弱実体・強実体という概念があります。

弱実体 他のあるエンティティのインスタンスが存在しなくなれば、自身のインスタンスも存在しなくなるエンティティ
強実体 他のあるエンティティのインスタンスが存在しなくなっても、自身のインスタンスは存在しなくならないエンティティ

Chance問題

演習4-5

 概念データモデルにおいて、実体Aのインスタンスaが他の実体Bのインスタンスbと関連しており、aが存在しなくなれば、bも存在しなくなる。このような実体Bを何と呼ぶか。

ア 仮想実体  イ 強実体  ウ 弱実体  エ 正実体

(H24春DB午前II問16)


解答 演習4-5 

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本試験過去問題による類題演習
□H17 午前問31 概念データモデル(商品在庫管理台帳)の適切なエンティティ
□H19 午前問30 スキーマ群(販売代理店の販売データ)から得ることのできない情報
□H27 午前II問4 概念データモデル(受講)の属性の選択
□H26 午前II問5 aが存在しなくなれば、bも存在しなくなるような実体B

Chance問題

Point check

四つの表の関係を表すE-R図として、適切なものはどれか。ここで、1―*は1対多の関連を表し、表定義中の実線の下線は主キーを、破線の下線は外部キーを表す。

(H19春DB午前問32)


Point check

解答

解答 Point check 

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書籍紹介

ポケットスタディ データベーススペシャリスト [第2版]

ポケットスタディ データベーススペシャリスト [第2版]

具志堅融、河科湊著
秀和システム 1,500円

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